セッション情報 口演

急性胆嚢炎の治療

タイトル O-313:

当院における急性胆嚢炎の診断とTokyo Guidelines 2013

演者 安達 運(帝京大学医学部内科学講座)
共同演者 木村 聡(帝京大学医学部内科学講座), 青柳 仁(帝京大学医学部内科学講座), 三浦 幸太郎(帝京大学医学部内科学講座), 白井 告(帝京大学医学部内科学講座), 磯野 朱里(帝京大学医学部内科学講座), 江波戸 直久(帝京大学医学部内科学講座), 三浦 亮(帝京大学医学部内科学講座), 三神 昌樹(帝京大学医学部内科学講座), 阿部 浩一郎(帝京大学医学部内科学講座), 立澤 直子(帝京大学医学部内科学講座), 相磯 光彦(帝京大学医学部内科学講座), 山本 貴嗣(帝京大学医学部内科学講座), 高森 頼雪(帝京大学医学部内科学講座), 石井 太郎(帝京大学医学部内科学講座), 喜多 宏人(帝京大学医学部内科学講座), 田中 篤(帝京大学医学部内科学講座), 久山 泰(帝京大学医学部内科学講座), 滝川 一(帝京大学医学部内科学講座)
抄録 【目的】2013年に急性胆嚢炎の診断基準・重症度が改訂された(TG13).今回われわれは当院において入院加療した急性胆嚢炎の診断をTG13に即して検討した.【方法】2010年1月から2012年8月までの期間中に当科に入院し,急性胆嚢炎と診断された症例を対象とした.総胆管結石合併症例は対象から除いた.【成績】当該期間に入院歴のある急性胆嚢炎患者は65例であった.平均年齢は67±15歳,男女比は41:24だった.入院時の所見・検査結果では,TG13診断基準:A(局所炎症所見)のうち,Murphy徴候陽性は14例,右季肋部痛ないし圧痛ありが58例で,いずれかを満たしていたのは60例(92%)であった.診断基準:B(全身炎症所見)としては,発熱(>38℃)22例,白血球増多(>10,000/μl)49例,CRP上昇(>3.0mg/dl)51例であり,いずれかを満たしたのは62例(95%)であった.TG13診断基準:Cである急性胆嚢炎の画像所見(US/CT)を伴っていたのは65例中59例(91%)であった.この結果,TG13診断基準における疑診(A+B)は58例(89%),確診(A+B+C)は53例(82%)となった.疑診の基準を満たさなかった症例は7例(15%)であり,A+C 2例,B+C 3例,Bのみ1例(画像上胆石所見あり),Cのみ1例で,7例中6例で急性胆嚢炎の画像所見があった.A+Cのみの2例は入院後白血球増多およびCRPの上昇があった.B+Cのみの3例はそれぞれ入院前の腹痛,背部痛,臍周囲痛が存在した.Bのみの1例はやはり入院前日に腹痛が存在した.Cのみの1例は背部痛,胆石疝痛発作の既往,および37.2℃の微熱がみられた.【結論】当院における急性胆嚢炎症例65例中,入院時の所見に限定すると7例がTG13の診断基準を満たさなかったが,身体徴候の定義を広げ入院前後の所見を含めると全例が基準を満たしていた.
索引用語