セッション情報 口演

肝癌 ソラフェニブ

タイトル O-319:

切除不能な肝細胞癌患者に対するTACE施行後のSorafenib投与による有効性・安全性についての検討

演者 玉井 努(鹿児島大学病院消化器内科)
共同演者 堀 剛(鹿児島逓信病院肝臓内科), 馬場 芳郎(鹿児島厚生連病院肝臓内科), 呉 建(済生会川内病院肝臓内科), 大野 香織(鹿児島大学病院消化器内科), 椨 一晃(鹿児島大学病院消化器内科), 椨 恵理子(鹿児島大学病院消化器内科), 大重 彰彦(鹿児島大学病院消化器内科), 小田 耕平(鹿児島大学病院消化器内科), 今中 大(鹿児島大学病院消化器内科), 熊谷 公太郎(鹿児島大学病院消化器内科), 馬渡 誠一(鹿児島大学病院消化器内科), 森内 昭博(鹿児島大学病院消化器内科), 宇都 浩文(鹿児島大学病院消化器内科), 桶谷 眞(鹿児島大学病院消化器内科), 井戸 章雄(鹿児島大学病院消化器内科), 坪内 博仁(鹿児島市立病院)
抄録 【目的】切除不能な肝細胞癌(HCC)患者に対するTACE施行後のソラフェニブ投与による有効性と安全性について検討する.【対象および方法】2011年7月から2013年7月まで,HCCに対するTACE施行後6ヶ月以内にPDと判定された症例に対し,再度TACEを施行後21日以内にソラフェニブ投与を開始した患者をソラフェニブ(Soraf)群,内服を希望しない患者を,コントロール(Cont)群とした.ソラフェニブは800 mg/日を原則とし,主要評価項目は無増悪期間(TTP),副次評価項目は安全性,生存期間として,前向きに検討した.【結果】症例は16例(Soraf群13例,Cont群3例).年齢は75.5(55.9-83.4),男/女は13/3,背景肝はHBV/HCV/NBNCが2/10/4,観察期間は47(16-91)週であった.Child-Pughは全例grade A,StageはII/III/IVA/IVB:2/11/2/1,内服期間は12(1-21)週であった.TTPは,Soraf群で良い傾向があり(P<0.063),初回経過観察で標的病変がSD以上は,Soraf群13例中12例,Cont群3例中1例であったが,非標的病変PDをSoraf群4例,Cont群全例に認めた.ソラフェニブ内服10週未満と10週以上の比較では,内服10週以上で,TTPの有意な延長を認めた.Soraf群では,途中減量を9例に認めたが,TACE直後に係らず,Child-Pughの低下など重篤な有害事象は認めなかった.Soraf群とCont群では,生存期間に有意差は認めなかった.【結論】切除不能なHCC患者に対するTACE施行後のソラフェニブ投与による有効性と安全性を前向きに検討した.進行肝癌に対するTACEとソラフェニブの組み合わせ治療により有効性の向上が期待できる.今後,さらなる症例の積み重ねにより集学的治療法の確立が必要と考えられた.
索引用語