セッション情報 口演

肝癌 ソラフェニブ

タイトル O-322:

進行肝細胞癌に対するソラフェニブ治療における病勢進行後継続投与の前向き試験

演者 阿久津 典之(札幌医科大学消化器・免疫・リウマチ内科学講座)
共同演者 高木 秀安(札幌医科大学消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 三橋 慧(札幌医科大学消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 若杉 英樹(札幌医科大学消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 志谷 真啓(札幌医科大学消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 本谷 雅代(札幌医科大学消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 佐々木 茂(札幌医科大学消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 佐々木 基(市立室蘭総合病院消化器内科), 石上 敬介(市立室蘭総合病院消化器内科), 金戸 宏行(市立室蘭総合病院消化器内科), 本間 賢太(市立釧路総合病院消化器内科), 米澤 和彦(市立釧路総合病院消化器内科), 須藤 豪太(函館五稜郭病院消化器内科), 小林 寿久(函館五稜郭病院消化器内科), 矢和田 敦(函館五稜郭病院消化器内科), 安達 雄哉(市立小樽病院消化器内科), 浜本 康夫(慶應義塾大学消化器内科), 横尾 英樹(北海道大学消化器外科I), 神山 俊哉(北海道大学消化器外科I), 篠村 恭久(札幌医科大学消化器・免疫・リウマチ内科学講座)
抄録 【背景】ソラフェニブは進行肝細胞癌の標準治療であるが,病勢進行後も服薬が継続される場合が存在する.しかしその意義に関しては一定のコンセンサスは得られていない.【目的】進行肝細胞癌を対象としたソラフェニブ療法における病勢進行後継続投与の安全性,有効性を前向きに検討する.【対象と方法】対象は,2011年7月~2013年6月までに道内6施設において同意が得られたChild pughAの進行肝細胞癌30症例である.試験登録後にソラフェニブを開始し,mRECISTでPDと判定後,さらに投与可能な症例は再度PDとなるまで治療を継続した.主要評価項目は継続投与の安全性.副次評価項目は抗腫瘍効果,無増悪期間,全生存期間,全治療期間における安全性とした.画像評価は6週毎に行った.【結果】画像評価が可能であった29例のうち画像評価でPDとなったのは21例,有害事象で中止となったのは4例.のこりは解析時SD以上で投与中であった.画像評価PDと判定した21例のうち17例(81%)に継続投与を行った.そのうち1例のみ有害事象で中止となったが16例(94%)は継続投与可能であった.初回無増悪期間中央値は84日であり,継続投与症例の初回PDからの無増悪期間中央値は42日であった.継続投与16症例の最良効果はSD7例,PD9例であった.【結語】病勢進行後継続投与の忍容性は良好であった.2次治療が存在しない現段階ではソラフェニブ療法の病勢進行後継続投与は進行肝細胞癌の治療選択肢となりえる.
索引用語