セッション情報 口演

胃内視鏡

タイトル O-326:

経皮内視鏡的胃瘻造設術後の早期死亡に関する検討

演者 宮本 裕也(済生会松山病院内科)
共同演者 村上 英広(済生会松山病院内科), 青野 通子(済生会松山病院内科), 中口 博允(済生会松山病院内科), 久米 美沙紀(済生会松山病院内科), 山本 健(済生会松山病院内科), 稲田 暢(済生会松山病院内科), 堀 和子(済生会松山病院内科), 梅岡 二美(済生会松山病院内科), 沖田 俊司(済生会松山病院内科), 宮岡 弘明(済生会松山病院内科), 岡田 武志(済生会松山病院内科)
抄録 【目的】経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は,一般的には1か月以上の生命予後が期待できる患者が対象となる.しかし,PEG施行後早期に死亡する症例が少なからず存在している.そこでPEG施行後早期死亡例の特徴と早期死亡関連因子を明らかにすることを目的とした.【方法】対象は2010年9月から2012年7月までに当院でPEGを施行し,30日以上経過観察することができた123例(男性58例,女性65例,平均年齢79.9歳).PEG施行後30日以内の死亡を早期死亡とした.身体所見(年齢,性別,BMI,JCS),病歴(併存疾患,便秘症の有無,抗血栓薬内服の有無),嚥下・PEGに関するもの(ACE阻害薬内服の有無,言語聴覚士による嚥下機能評価,PEGの理由,注入食の形態,PEGの位置,PEG手技関連合併症の有無),入院時血液検査値(コリンエステラーゼ,総コレステロール,中性脂肪,総蛋白,アルブミン,尿素窒素,クレアチニン,CRP,血糖,白血球数,ヘモグロビン,リンパ球数,PT-INR),小野寺らのPrognostic Nutritional Indexの項目について早期死亡群,それ以外の群で比較した.【結果】早期死亡例は15例(11%)であった.平均年齢は84.5歳,男性11例,女性4例.PEG施行後から死亡までの期間は2日から29日にわたっていた.併存疾患は誤嚥性肺炎が12例,脳梗塞が8例,糖尿病が5例であった.死因は肺炎が9例で最多であった.PEG手技関連の合併症では内視鏡時の誤嚥による肺炎と腹膜炎が直接の死因となっていた.単変量・多変量解析を行った結果,早期死亡関連因子として入院時総コレステロール値(オッズ比0.98,p=0.031),クレアチニン値(オッズ比2.277,p=0.032)が抽出された.【結論】早期死亡例の死因は誤嚥による呼吸不全が多い結果であった.低栄養状態,腎機能低下例では,PEG施行後に早期死亡をきたす可能性があり注意が必要である.
索引用語