セッション情報 口演

胃腫瘍-臨床-3(内科)

タイトル O-328:

デルマドローム疑診症例に対する上部消化管内視鏡スクリーニングの検討

演者 堀内 亮郎(都立墨東病院内視鏡科)
共同演者 古本 洋平(都立墨東病院内科), 間野 真也(都立墨東病院内科), 石橋 史明(都立墨東病院内科), 上山 俊介(都立墨東病院内科), 外山 雄三(都立墨東病院内科), 小林 克誠(都立墨東病院内科), 村山 巌一(都立墨東病院内科), 那須 啓一(都立墨東病院外科), 松田 真輝(都立墨東病院外科), 佐崎 なほ子(都立墨東病院内科), 鈴木 伸治(国際医療福祉大学三田病院外科消化器センター), 浅野 徹(都立墨東病院内科), 真栄城 剛(都立墨東病院外科), 沢田 泰之(都立墨東病院皮膚科), 忠願寺 義通(都立墨東病院内科), 藤木 和彦(都立墨東病院内科)
抄録 【目的】デルマドローム疑診症例に対する上部消化管内視鏡スクリーニングは総合病院の内視鏡検査において一定の割合を占めている.デルマドロームには非特異的なものが多く,頻度なども明らかにされていない.実際に行われているスクリーニングの現状を明らかにすることを目的とする.【方法】2005年1月から2013年8月までの間に当院皮膚科依頼のデルマドローム疑診例で上部消化管内視鏡スクリーニング検査を施行した554件を対象とした.【成績】209件で生検が行われていた.腺腫以上の所見が認められたのは12例であった.原疾患は強皮症,水疱性類天疱瘡,多形慢性痒疹が各2例,紅皮症,貨幣状湿疹,尋常性天疱瘡,RS3PE症候群,皮膚掻痒症,両側下肢慢性色素性紫斑が各1例であった.スクリーニング結果は胃粘膜内癌5例,胃腺腫,進行胃癌各2例,進行食道癌,食道粘膜内癌,十二指腸粘膜内癌各1例であった.【結論】今回の検討では従来からデルマドロームとして知られているものとしては,紅皮症での進行胃癌が認められたが,12例中9例は粘膜内癌や腺腫で,病変部位も食道から十二指腸まで広範囲に認められていた.これらはデルマドロームというよりは偶然の合併であると考えられた.デルマドローム疑診例に対する上部消化管内視鏡スクリーニングでは,全領域で腺腫,粘膜内癌などの比較的軽微な所見を含めて慎重に観察することが必要であると考えられた.
索引用語