セッション情報 口演

胃腫瘍-臨床-4(内科)

タイトル O-333:

胃腺腫の経時的形態変化

演者 津久井 雄也(山梨大学第1内科)
共同演者 大高 雅彦(山梨大学第1内科), 岩本 史光(山梨大学第1内科), 小林 祥司(山梨大学第1内科), 吉田 貴史(山梨大学第1内科), 小馬瀬 一樹(山梨大学第1内科), 山口 達也(山梨大学第1内科), 植竹 智義(山梨大学第1内科), 浅川 幸子(山梨大学第1内科), 佐藤 公(山梨大学第1内科), 望月 邦夫(山梨大学人体病理学), 榎本 信幸(山梨大学第1内科)
抄録 背景:2013年2月にHelicobacter pylori(Hp)の除菌療法が,慢性胃炎にも保険適応となり,その受療者の増加が伺われる.Hp除菌療法による胃腺腫の縮小・消褪の報告がある.胃腺腫は胃癌と鑑別を要する病変があり除菌前の把握や経過観察が重要と思われる.目的:胃腺腫の経時的な形態変化について検討した.対象と方法:2007年1月より2912年12月まで胃生検を行い,Tubular adenoma,Group3と診断された168例である.内訳は男119/女49,年齢53-90歳(72.9±7.7),部位U20/M93/L53/術後2,前壁35/後壁32/小弯75/大弯24/術後2,色調 褪色137/発赤31,大きさ3-86mm(15.2±12.7),肉眼型I12/IIa144/IIc12であった.Hpを検索した74例中55例(74.3%)が陽性であった.経過観察を行った136例(81.0%)を検討した.結果:57例(32.7%)が2cm以上やGroup4のため1年以内にESD/EMRした.癌が18例,腺腫37例であった.他病変のため胃切除例10例.他病死6例.残り65例(47.8%)を経過観察した.消失10(15.4%),縮小6(9.2%),不変32(26.2%),増大17(49.2%).増大例のうち内視鏡的切除術を行った8例中4例に癌を認めた(6%).増大群(n=17)と消失縮小不変群(n=48)の2群にわけ検討した.平均観察期間(月)55.5/24.6,年齢73.0±7.5/71.9±7.1(p=0.1897),男11/36,女6/12(p=00.4150),部位U1/2,M11/28,L5/17,術後0/1(p=0.5914),色調 褪色10/41,発赤7/7(0.0490),形態I1/4,IIa14/41,IIc2/3(0.4818),大きさ10.9±14.6/26.1±17.6(p=0.0250),Hp除菌7/27(p=0.2849),有意差のあった色調と大きさをCox比例ハザードモデルで検討.発赤p=0.0022,ハザード比5.2418,95%CI1.8121-15.1628.大きさp=0.6709,ハザード比1.2933,95%CI0.3948-4.2369であった.考察:胃腺腫は増大率0-55%,癌化率0-21%と報告されている.本検討では増大率26.1%,癌化率6%であった.結語:胃腺腫の発赤所見は増大に関与しており注意深い経過観察が必要と考えられた.
索引用語