セッション情報 口演

胃腫瘍-臨床-4(内科)

タイトル O-336:

悪性胃十二指腸狭窄に対する十二指腸ステントの検討

演者 松本 次弘(明石市立市民病院消化器内科)
共同演者 赤澤 貴子(明石市立市民病院消化器内科), 山内 徳人(明石市立市民病院消化器内科), 森川 輝久(明石市立市民病院消化器内科), 村松 哲(明石市立市民病院消化器内科), 藤本 荘太郎(明石市立市民病院消化器内科)
抄録 近年,化学療法の進歩等により悪性胃十二指腸狭窄が増加している.2010年4月より悪性胃十二指腸狭窄に対する経内視鏡的十二指腸ステント留置術が保険収載され,様々な症例で使用されている.切除不能の悪性胃十二指腸狭窄に対し,当科で2012年6月から2013年9月までに経内視鏡的胃十二指腸ステント留置術を施行した8例(男5例,女3例,46~88歳)の成績を報告する.基礎疾患は胃癌4例,膵頭部癌2例,膵体部癌1例,下部胆管癌1例であった.全症例でBoston-Scietific社製WallFlexを使用した.ステント留置は全症例で成功し,留置に要した時間は平均35分であった.2例で誤嚥性肺炎(軽症)を発症したが重篤な合併症は認めていない.飲水可能7/8例(88%),流動物摂取可能7/8例(88%),固形物摂取可能5/8例(63%)であった.またステント留置によりGastric Outlet Obstruction Scoring Systemは有意に改善している.4/8例(50%)は退院でき,そのうち2例は生存中で現在化学療法を行っている.ステント留置後の生存期間中央値は135日で,経過中にステント閉塞あるいは逸脱を来たした症例はなかった.悪性胃十二指腸狭窄に対して十二指腸ステントは比較的安全に挿入でき,QOL改善に有効な手段であると考えられた.
索引用語