セッション情報 | 口演胃腫瘍-臨床-4(内科) |
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タイトル | O-337:胃カルチノイド腫瘍(Neuroendocrine tumor:NET)の治療方針―当院での8例も検討して― |
演者 | 柳原 志津妃(札幌厚生病院消化器科) |
共同演者 | 黒河 聖(札幌厚生病院消化器科), 市原 真(札幌厚生病院臨床病理), 今村 哲理(札幌厚生病院消化器科), 小澤 広(札幌厚生病院消化器科), 前田 聡(札幌厚生病院消化器科), 萩原 武(札幌厚生病院消化器科), 渡邊 義行(札幌厚生病院消化器科), 西岡 均(札幌厚生病院消化器科), 菊池 仁(札幌厚生病院消化器科), 乙黒 雄平(札幌厚生病院消化器科), 鈴木 肇(札幌厚生病院消化器科), 寺門 洋平(札幌厚生病院消化器科), 西園 一郎(札幌厚生病院消化器科), 道上 篤(札幌厚生病院消化器科), 賀集 剛賢(札幌厚生病院消化器科), 末永 大介(札幌厚生病院消化器科), 後藤田 祐子(札幌厚生病院臨床病理), 村岡 俊二(札幌厚生病院臨床病理) |
抄録 | 【目的】胃カルチノイド腫瘍(Neuroendocrine tumor:NET)は非常に稀な腫瘍である.腫瘍径が小さくても多発,転移を有する症例もあり,胃全摘術,最近では低侵襲な治療法も選択されているが,治療法の一定の見解は得られていない.当院で経験した8例の胃カルチノイド腫瘍の臨床病理的所見を検討し,今後の治療方針について考察した.【方法】2006年から2013年までの間に当院で診断,治療した胃カルチノイド,8例をTypeIとTypeIIIに分け,それぞれ発症年齢,腫瘍径,個数,治療法,Ki-67(%),核分裂像数などを検討した.【結果】高ガストリン血症を伴うTypeIでは病変は多発する傾向にあり,一方TypeIIIではすべて単発病変であった.治療法はそれぞれ胃全摘術,幽門洞切除術,内視鏡治療,経過観察と種々の方法が取られていた.TypeIではWHO分類ですべてG1,TypeIIIではG1:3例,G2:1例で,G2症例でリンパ節転移を認めた.平均観察期間は33.8ヶ月,現在まで全員無再発生存.【考察】2010年のWHO分類で従来のカルチノイド腫瘍はNeuroendocrine tumor提唱された.以前はタイプごとに治療法が提唱され,Type I,IIは内視鏡切除術,幽門洞切除術と局所切除術,TypeIIIはリンパ節郭清を伴う胃切除術が推奨されてきたが,病理組織学的検討に基づき,治療法の選択,経過観察も可能かと思われる.当院のG2症例ではリンパ節転移を認めたためG2の治療方針の選択には注意が必要である.【結語】今回,我々の施設でのレトロスペクティブな検討では,TypeIIIのG2症例でリンパ節転移を有していた.症例数の少ない疾患のため一施設での検討だけでは不十分ではあるが,今後NETの治療法に関してはタイプと腫瘍径のみならず細胞の増殖能を評価した上での治療法選択が必要と思われる. |
索引用語 |