セッション情報 | 口演UC(潰瘍性大腸炎)3 |
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タイトル | O-339:潰瘍性大腸炎患者に施行した白血球除去療法の有用性 |
演者 | 渡辺 修(名古屋大学消化器内科学) |
共同演者 | 安藤 貴文(名古屋大学消化器内科学), 石黒 和博(名古屋大学消化器内科学), 前田 修(名古屋大学消化器内科学), 平山 裕(名古屋大学消化器内科学), 森瀬 和宏(名古屋大学消化器内科学), 松下 正伸(名古屋大学消化器内科学), 前田 啓子(名古屋大学消化器内科学), 古川 和宏(名古屋大学消化器内科学), 舩坂 好平(名古屋大学消化器内科学), 宮原 良二(名古屋大学消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大学消化器内科学) |
抄録 | 【目的】当院では中等症の潰瘍性大腸炎(UC)患者を中心に白血球除去療法(LCAP)を行い,その治療効果について検討した.【方法】2010~2013年まで22例のUC患者に延べ30コースのLCAPを施行した.症例は男性12例 女性10例,平均年齢34.5歳,全大腸炎型16例 左側大腸炎型5例 直腸炎型1例であった.臨床的活動度はLichtigerのclinical activity index(CAI)を用い評価し4以下を寛解とした.【成績】LCAPの1コースの平均施行回数は9.0回,1例は頭痛のため治療継続ができなかった.継続治療ができた29例のCAIの平均値は開始時9.1,3か月後3.3となり,25例(86.2%)が寛解導入された.LCAP施行時の併用薬は,経口剤のアミノサリチル酸製剤(5ASA)28例,ステロイド(PSL)16例,タクロリムス(TAC)8例,アザチオプリン(AZA)9例,局所製剤の5ASA注腸9例,PSL注腸9例,PSL坐2例,点滴のインフリキシマブ(IFX)1例であった.経口PSLの平均投与量は,開始時は27.0mg,3か月後は7.8mgと有意に低下した.全身に対する免疫調節作用がある経口PSL,TAC,AZA,IFXのいずれかを併用した22例は20例が寛解導入され,併用しなかった7例は4例が寛解導入された.全身に対する免疫調節作薬を併用した方が有意に寛解導入できた.21例中7例は,再燃時に再度LCAPで寛解導入した.再治療までの間隔の平均は353日,2コース目開始時と3か月後の平均CAIはそれぞれ,9.3,2.1となり,6例(85.7%)で寛解導入された.1・2コースともほぼ同等の寛解導入率であった.1コース目と2コース目の開始前の平均CAIはそれぞれ10.4,9.3で,2コース目の方がCAIが低く,1コース目より軽症の段階でLCAPが導入されていた.【結語】中等症UC患者を中心にLCAPを施行し,80%以上の患者が寛解導入された.特に全身に対する免疫調節作用薬を併用すると寛解導入率が高くなった.また再燃時に再度LCAPを施行しても1コース目と同様の寛解導入が可能であった. |
索引用語 |