セッション情報 口演

食道静脈瘤治療

タイトル O-349:

当院における食道静脈瘤治療の方法―EISL法とAPC地固めにおける治療の工夫を中心に―

演者 室久 剛(聖隷浜松病院消化器内科)
共同演者 長澤 正通(聖隷浜松病院消化器内科), 海野 修平(聖隷浜松病院消化器内科), 瀧浪 将貴(聖隷浜松病院消化器内科), 田村 智(聖隷浜松病院消化器内科), 小林 陽介(聖隷浜松病院消化器内科), 木全 政晴(聖隷浜松病院消化器内科), 芳澤 社(聖隷浜松病院消化器内科), 舘野 誠(聖隷浜松病院消化器内科), 熊岡 浩子(聖隷浜松病院消化器内科), 清水 恵理奈(聖隷浜松病院消化器内科), 細田 佳佐(聖隷浜松病院消化器内科), 佐藤 嘉彦(聖隷浜松病院消化器内科)
抄録 【背景】食道静脈瘤治療はおおむね標準化されつつあるが,詳細な治療方法には差異がある.より短期間で合併症を少なく,最良の効果を得るために当院で行っている治療の方法を報告する.【検討】(1)EIS/EISLの方法;緊急例にはEVL,待機・予防例に対してはEISまたはEISLを基本としている.EIS/EISL治療時には術者以外に2-3名の医師および看護師が入室する.助手は各々硬化剤注入,内視鏡保持,バルンおよびEVLの操作を担当する.前投薬として臭化チメピジウム筋注およびペチジン塩酸塩およびフルニトラゼパム静脈内投与を行う.注入時には内視鏡保持を別の医師が行なうことが重要である.穿刺部位は可能な限り食道下部を狙うことで,硬化剤の注入量を減らすことができる.EISLでは1回の治療で,2-3ヵ所に血管内注入と結紮を行い,その後4-6ヵ所にEVL単独治療を行い終了する.治療終了時には鎮静剤拮抗薬を投与する.次回治療までの間隔はEIS1-2週毎,EISL2週毎としている.ほぼF0の状態でAPC地固めに移行する.潰瘍治癒が遷延する場合,APC地固めは退院後再入院し行う.APC地固め4週後以降の潰瘍が治癒した状態で治療効果判定を行い,残存があれば追加治療を行う.(2)APC地固めの方法:表層のEPを焼灼すると粘膜が白濁し,更に焼灼すると凝固壊死組織が固まった状態となる.この壊死組織を焼灼しつつ剥離させ,深層を露出させ焼灼を行うと黄色調の均一できれいな焼灼が得られ,ほぼ再発のない状態が得られる.(3)パス化:静脈瘤治療はパス化されている.食上げ時にBCAA含有栄養剤を併用することで,栄養状態を維持し治療が可能である.(4)治療成績:最近3年間71例のうち根治目標治療例の比較では,EISL群はEIS群に比べ有意に平均治療回数・入院日数・再発率が少なく,完全消失率が高かった.【結語】当院での治療方法と近年の治療成績を報告した.
索引用語