セッション情報 | 口演NASHスクリーニング |
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タイトル | O-365:NASHスクリーニングにおける123I-BMIPP脂肪酸シンチグラフィの有用性 |
演者 | 野崎 雄一(国立国際医療研究センター消化器内科) |
共同演者 | 南本 亮吾(国立国際医療研究センター放射線科), 三神 信太郎(国立国際医療研究センター消化器内科), 小島 康志(国立国際医療研究センター消化器内科), 櫻井 俊之(国立国際医療研究センター消化器内科), 永田 尚義(国立国際医療研究センター消化器内科), 横井 千寿(国立国際医療研究センター消化器内科), 小早川 雅男(国立国際医療研究センター消化器内科), 小野 正文(高知大学医学部消化器内科), 窪田 和雄(国立国際医療研究センター放射線科), 秋山 純一(国立国際医療研究センター消化器内科), 今村 雅俊(国立国際医療研究センター肝炎免疫研究センター), 正木 尚彦(国立国際医療研究センター肝炎免疫研究センター), 溝上 雅史(国立国際医療研究センター肝炎免疫研究センター), 柳瀬 幹雄(国立国際医療研究センター消化器内科) |
抄録 | 【目的】本邦で1000万人以上が罹患しているとされる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者の約1~2割が進行性の非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)であると推測されており,NASH症例の効果的な拾い上げが急務とされる.NASH診断における非侵襲的検査として,123I-BMIPP(beta methyl-iodophenyl-pentadecanoic acid)を用いた脂肪酸代謝シンチグラフィの有効性を検討する.【方法】肝生検にて病理学的診断に至ったNAFLD患者14名(男/女=11/3(人),平均年齢49(歳))を対象とした.14名の内訳は,単純性脂肪肝(SS)4名,早期(Brunt病期分類Stage1-2)NASH(eNASH)6名,進行(Stage3-4)NASH(aNASH)4名であった.BMIPP 111MBqを急速静注後,two head gamma cameraを用いて60分後までの肝,心左室における脂肪酸動態を画像化し,線維化進行度との相関を解析し有用な指標を探索した.【結果】症例毎の脂肪酸シンチグラフィデータを複数の指数関数と変数によるカーブフィッティングをおこない,non-NASH(SS)/NASH(eNASH+aNASH)を従属変数,フィッティング関数における3つの変数を説明変数とするロジスティック回帰分析からNASH診断の回帰モデルを作成し,症例毎の真の陽性確率を算出した.ROC曲線下面積(AUC)0.975,カットオフ値を0.50と設定すると感度100%,特異度75%,陽性的中率91%,陰性的中率100%,正診率93%という良好な成績を得た.【結論】NAFLD症例の中でSS群とNASH群を鑑別する非侵襲的手段として123I-BMIPP脂肪酸シンチグラフィの有用性が示唆された.肝生検を施行すべきNASH症例をより高い精度で抽出できることが期待され,更なる症例の集積と今後は前向きでの検証をおこなう必要があると考える. |
索引用語 |