セッション情報 口演

NASHスクリーニング

タイトル O-366:

病勢進行型NASHの予測に有用な因子の検討

演者 川村 祐介(虎の門病院肝臓センター)
共同演者 荒瀬 康司(虎の門病院肝臓センター), 池田 健次(虎の門病院肝臓センター), 宗林 祐史(虎の門病院肝臓センター), 福島 泰斗(虎の門病院肝臓センター), 瀬崎 ひとみ(虎の門病院肝臓センター), 保坂 哲也(虎の門病院肝臓センター), 芥田 憲夫(虎の門病院肝臓センター), 小林 正宏(虎の門病院肝臓センター), 斎藤 聡(虎の門病院肝臓センター), 鈴木 文孝(虎の門病院肝臓センター), 鈴木 義之(虎の門病院肝臓センター), 熊田 博光(虎の門病院肝臓センター)
抄録 【目的】NAFLD症例の経過からアポトーシスマーカーを含めた病勢進行予測に有用な因子の検討を施行.【対象・方法】1980年1月から2013年4月までの間に,当院肝臓センターにて肝生検を施行しNASH/NAFLDと診断された180症例中,フォローアップの肝生検を施行された25症例,そのうち生検前後で線維化が改善した3例を除いた22症例を対象に病勢進行予測因子の検討を施行.上記検討に際し,NASH Stage 0から1への悪化もしくは,Stage 1での不変例はIndolent NASH(病勢緩徐進行型NASH),Stage 2≦での不変もしくはStage 2≦への悪化例はAggressive NASH(病勢進行型NASH)と定義し検討.アポトーシスマーカーとしては,CK18(M30)に加え,ミトコンドリア-AST(m-AST)を検討.【成績】Indolent NASHは6症例,Aggressive NASHは16症例.Indolent NASH/Aggressive NASH両群間の比較では,それぞれ男性5例/7例,女性1例/9例,糖尿病合併は0例(0%)/1例(6%),以下中央値で示すが,年齢(歳)34.0/49.5,BMI(kg/m2)24.3/28.0,AST(IU/L)58.5/75.0,ALT(IU/L)95.5/112.5,rGTP(IU/L)59.0/60.0,Ferritin(ng/ml)142.0/330.5,ヒアルロン酸(ng/ml)14.5/32.0,TypeIV collagen 7S(ng/ml)3.4/4.7,m-AST(IU/L)3.4/4.0,CK18(M30)(U/L)337/461.5であり,年齢,BMI,ヒアルロン酸,TypeIV collagen 7SはAggressive NASHにおいて有意に高値(P<0.05)であり,フェリチン,m-ASTにおいてはAggressive NASHにおいて高い傾向(P<0.15)であった.病勢進行速度の予測のため,病期が進行してしまった結果であるTypeIV collagen 7S,ヒアルロン酸を除いた因子にて,Aggressive NASH予測のための予測式を作成した結果,感度92%,特異度83%で予測が可能であった.【結語】今回の検討から病初期の段階における病勢進行型のAggressive NASHの予測には,年齢,BMI,Ferritin,m-ASTの組み合わせが有用な因子となる可能性が考慮された.
索引用語