セッション情報 | 口演膵炎 基礎 |
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タイトル | O-371:便中エラスターゼによる膵嚢胞線維症(CF)の膵外分泌機能の評価 |
演者 | 成瀬 達(みよし市民病院消化器科) |
共同演者 | 石黒 洋(名古屋大学大学院健康栄養医学), 山本 明子(名古屋大学大学院健康栄養医学), 柴田 時宗(みよし市民病院消化器科), 伊藤 治(みよし市民病院消化器科), 濱田 広幸(みよし市民病院消化器科), 木村 純(みよし市民病院消化器科), 北川 元二(名古屋学芸大学管理栄養学部), 下瀬川 徹(東北大学大学院消化器病態学) |
抄録 | 【目的】膵嚢胞線維症(CF)では,膵外分泌不全(PI)を伴う患者はCFTRチャネル機能がないため,膵外分泌不全のない患者(PS)より重症となる.CFでは早期にPIを診断して治療をする必要があるが,わが国には小児の膵外分泌機能を簡単に測定する方法はない.便中エラスターゼは小児でも測定が可能な膵外分泌機能検査である.本研究では膵嚢胞線維症(CF)登録制度の主治医の協力を得て,わが国のCF患者と健康小児の膵外分泌機能を便中エラスターゼ試験により比較検討した.【方法】みよし市民病院倫理委員会の承認後,CF主治医ならびに研究協力者(星野三生子,若月準,近藤志保,藤木理代,中莖みゆき)の協力を得て,CF患者15名(男8名,女7名,年齢0~34歳)およびみよし市の保育園児103名(男61名,女42名,年齢0~6歳)の便を採取した.便中エラスターゼ濃度はELISA法により測定した.【成績】健康園児の便中エラスターゼの中央値は544μg/g(最大値784~最小値174)であり,男女差はなかった.便中エラスターゼは身長,体重,BMIと有意の相関関係を認めなかった.PSの基準値を>200 μg/gとした場合,異常低値(174)を示した園児は1名のみであった.一方,CF患者の便中エラスターゼの中央値は21μg/g(最大値852~最小値16)であった.PI患者は11名(中央値8歳,0~23歳),PS患者は3名(18~37歳)と,PS患者では成人例が多い傾向を示した.【結論】便中エラスターゼにより小児CFのPIの診断は簡単にでき,早期のCFの重症度診断と治療に有用である. |
索引用語 |