セッション情報 口演

急性膵炎

タイトル O-372:

当院にて過去3年半の間に経験した急性膵炎69例の検討

演者 村井 一裕(大阪厚生年金病院内科)
共同演者 日下部 瑛(大阪厚生年金病院内科), 曽我 彩子(大阪厚生年金病院内科), 加藤 幹那(大阪厚生年金病院内科), 加藤 穣(大阪厚生年金病院内科), 日比野 千尋(大阪厚生年金病院内科), 塩出 悠登(大阪厚生年金病院内科), 松村 有記(大阪厚生年金病院内科), 北 久晃(大阪厚生年金病院内科), 河合 知代(大阪厚生年金病院内科), 西塔 民子(大阪厚生年金病院内科), 中田 悠紀(大阪厚生年金病院内科), 濱野 美奈(大阪厚生年金病院内科), 千葉 三保(大阪厚生年金病院内科), 前田 晃作(大阪厚生年金病院内科), 内藤 雅文(大阪厚生年金病院内科), 道田 知樹(大阪厚生年金病院内科), 伊藤 敏文(大阪厚生年金病院内科)
抄録 【目的】2009年7月に急性膵炎診療ガイドライン改訂第3版が発行され,臨床現場での急性膵炎の診療にもさらなる向上が求められている.今回,当院にて,過去3年の間に経験した急性膵炎症例について検討し,その特徴や課題について報告する.【方法】当院にて2010年1月~2013年9月の間に急性膵炎の診断にて入院加療を行った69症例(ERCP後膵炎は除く)を対象として検討を行った.【結果】69症例の年齢は16歳~90歳(平均年齢57.8歳)で,男性48例,女性21例であった.成因としては,アルコール性30例,胆石性22例,特発性12例,その他5例で,年齢別では65歳以上では胆石性が72%と多く,64歳以下ではアルコール性が67%と多かった.慢性膵炎急性増悪例が18例あり,うち12例はアルコール性であった.改訂基準での軽症例が42例,重症例が27例で,死亡例は1例であった.重症例のうちCT Gradeのみで重症と判定した症例が19例,予後因子のみで重症と判定した症例が5例,CT Grade・予後因子の両方で重症と判定された症例が3例であった.また重症例27例のうち蛋白分解酵素阻害薬・抗菌薬膵局所動注療法,血液浄化療法(CHDF)を行ったのは6例であった.軽症急性膵炎と重症急性膵炎を比較すると,入院時の血清アミラーゼ値に有意な差を認めなかった.一方,MAX CRP値については,有意差をもって重症膵炎の方が高値であった.平均入院日数は軽症例で15.0日,重症例で28.2日,平均絶食期間は軽症例で4.9日,重症例で7.3日であった.【結論】ガイドライン改訂後当院で経験した急性膵炎69症例について報告した.急性膵炎の診療の向上のため,ガイドラインに沿った診療とさらなる症例の集積が必要と思われた.
索引用語