セッション情報 口演

急性膵炎

タイトル O-373:

重症急性膵炎に対する局所膵動注療法についての後向き多施設観察研究

演者 堀部 昌靖(東京都立多摩総合医療センター消化器内科)
共同演者 佐々木 満仁(国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科), 讃井 將満(自治医科大学附属さいたま医療センター集中治療部)
抄録 背景:重症急性膵炎(Severe acute pancreatitis;SAP)は,抗菌薬の予防投与,蛋白分解酵素阻害薬,局所膵動注療法(continuous regional arterial infusion;CRAI),non-renalな血液浄化療法など,有効性が議論されている治療が多く存在する.CRAIは,Takedaらにより壊死性膵炎に対する有効性が報告されて以降,SAPの予後改善に有効な手段として日本で普及している.2010年にはPiascikらにより世界初のRCTが報告された.しかしSAPに対するCRAIの質の高いエビデンスは依然少なく,CRAIはSAPの標準的な治療法として確立されていない.日本の急性膵炎診療ガイドライン2010(GL2010)では,推奨度C1(科学的根拠が乏しいが有効性が期待できる可能性がある)である.目的:GL2010以降の,日本におけるSAPに対するCRAIの治療成績を多施設で後向きに調査し,SAPに対するCRAIの有効性や安全性の評価をする.方法:対象は,2010年1月から2012年12月までの3年間に協力施設にて,厚生労働省研究班急性膵炎重症度判定基準(2008)で重症と判定,加療された18歳以上の症例である.開始時間,重症度分類(厚生労働省急性膵炎重症度判定基準,Atlanta分類)などの項目に基づきCRAIの有無で治療成績を比較検討し,CRAIの有効性を評価する予定である.また,合併症についても調査し安全性の評価を行う.結語:今回われわれは,JSETIC-CTGにてSAPに対するCRAIについての多施設後ろ向き研究を計画し,CRAIの有効性,安全性を明らかにしたいと考えている.
索引用語