セッション情報 | 口演急性膵炎 |
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タイトル | O-375:Doripenemによる重症急性膵炎に対する2経路膵局所動注療法の有用性 |
演者 | 山宮 知(昭和大学消化器内科) |
共同演者 | 北村 勝哉(昭和大学消化器内科), 石井 優(昭和大学消化器内科), 佐藤 悦基(昭和大学消化器内科), 岩田 朋之(昭和大学消化器内科), 野本 朋宏(昭和大学消化器内科), 吉田 仁(昭和大学消化器内科) |
抄録 | 【目的】当施設の重症急性膵炎(SAP)に対するdoripenem(DRPM)による2経路膵局所動注療法(CRAI)の有用性を検討する.【方法】2002年11月から2013年6月まで当施設で診療した厚労省SAP 242例のうち,カルバペネム系抗菌薬とnafamostat mesilate(NM)による2経路(腹腔および上腸間膜動脈)CRAIを施行した54例を対象とした.DRPM投与35例とDRPM非投与19例(meropenem:MEPM 11,imipenem:IPM 6,biapenem:BIPM 2例)の治療成績をretrospectiveに検討した.CRAIの適応は,造影CTによる膵造影不良域併発例とした.2経路から抗菌薬として,DRPMを8時間毎に1回0.5g(1.5g/日),12時間毎にMEPMおよびIPMを1回1g(2g/日),BIPMを1回0.6g(1.2g/日)で投与し,NMを240mg/日で持続投与した.中央(最小~最大)値表記.【結果】54例の年齢49(15~85)歳,男性42,女性12例.成因は,アルコール性34,胆石性2,特発性13,その他5例.入院48時間以内の厚労省予後因子4(0~8)点,造影CT Grade 1:2:3=0:32:22.CRAI開始時期は,入院1(1~4)病日,施行期間5(3~7)日,致命率は9.3%(5/54)であった.DRPM群と非DRPM群の患者背景(年齢,性別,成因,CRAI開始時期,施行期間)に有意差なし.両群間で,腹痛消失時期,抗菌薬投与期間,重症感染症合併率,手術施行率,入院期間,致命率に有意差を認めなかったが,DRPM群は非DRPM群と比較して,経口摂取時期が有意に短縮し(10日vs. 14日,p<0.005),walled-off necrosis合併率が低い傾向にあった(36.4% vs. 64.7%.p=0.057).【結論】DRPMによるSAPに対する2経路CRAIは,既報のカルバペネム抗菌薬によるCRAIと比較し,同等の治療効果が得られる可能性が示唆される. |
索引用語 |