セッション情報 | 口演急性膵炎 |
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タイトル | O-376:当科におけるERCP後膵炎(PEP)発症予防に対するジクロフェナク坐薬使用の報告 |
演者 | 千手 倫夫(産業医科大学第3内科学) |
共同演者 | 田口 雅史(産業医科大学第3内科学), 松橋 亨(産業医科大学第3内科学), 鬼塚 良(産業医科大学第3内科学), 荻野 学芳(産業医科大学第3内科学), 山本 光勝(産業医科大学第3内科学), 阿部 慎太郎(産業医科大学第3内科学), 原田 大(産業医科大学第3内科学) |
抄録 | 【目的】ERCP後膵炎(PEP)の予防としては,急性膵炎の診療ガイドライン2010年度版においてもNSAIDsが有用な可能性がある(推奨度C)とされてきた.近年,NSAIDs坐剤によるPEPの予防効果に関する大規模な臨床試験結果が報告され,本邦でも,その有用性が指摘されつつある.そこで,当科では若干例の試験的導入の後に,2012年10月からほぼ全例においてジクロフェナク坐薬のERCP検査前投与を開始した.当科におけるPEP発生頻度等についてNSAIDs坐薬の有効性を検討する.【方法】2012年10月から2013年9月までに当科で施行したERCP 158件のうち,初回ERCP施行例で,かつ,膵管ステント留置を行わなかった65症例(男性33例,女性32例,平均年齢70.2歳)を対象とした.疾患は,総胆管結石25例,胆道腫瘍16例,胆道狭窄10例,膵腫瘍14例であった.全例にガベキサートメシル酸塩600mgを併用し,検査30分前にジクロフェナク坐薬(体重65 kg未満は25mg,65 kg以上は50mg)を投与した.施行した処置として,EST 13例,膵管擦過9例を含んでいた.【結果】8例(12.3%)で腹痛と血清アミラーゼもしくは血清リパーゼ値上昇が認められた.腹部CT検査の結果,うち4例(6.2%)でCT grade 0-1の膵の炎症所見が確認された.全例が保存的治療で軽快した.【結語】当科ではジクロフェナク坐薬導入後にはERCP後重症膵炎の発生は認めておらず,その有用性が期待される.NSAIDs坐薬導入前の同期間・同条件下での症例群との対比も含めて報告する. |
索引用語 |