セッション情報 |
口演
自己免疫性膵炎
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タイトル |
O-378:IgG4関連疾患群における横断的検討による膵病変・胆管病変の意義
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演者 |
古川 浩一(新潟市民病院消化器内科) |
共同演者 |
伊藤 和彦(同呼吸器科), 長谷川 尚(同腎膠原病科), 橋立 英樹(同病理科), 川上 芳明(同泌尿器科), 橋本 茂久(同耳鼻咽喉科) |
抄録 |
【背景と目的】IgG4関連疾患は消化器領域にとどまらず種々の臓器にわたる全身疾患と理解されている.診療域を超えて横断的に膵疾患としての自己免疫性膵炎の膵および胆管病変の意義について検討した.【対象と方法】2007年11月より2011年8月までに当院,全診療科にてIgG4測定を行った122例中,IgG4関連ミクリッツ病診断(日本シェーグレン症候群研究会IgG4関連疾患検討委員会)の高IgG4血症基準に準じて135mg/dl以上の33例を高値例とし,背景疾患,膵・胆管CT画像所見,IgG4変動について検討.【結果】当院6診療科にわたるIgG4高値例の内訳は,男性が26例(78.8%)と多く,膵・胆病変13例,膵・胆管病変を有しないミクリッツ病3例,間質性肺炎3例,後腹膜線維症または水腎症3例.その他のIgG4高値例11例.診断時の平均年齢はミクリッツ病の57歳が最も若年で,後腹膜線維症または水腎症症例は高齢者にのみ多い傾向であった.腹部CTによる画像評価では,膵管病変を11例,胆管病変を6例に認めた.IgG4の平均値はミクリッツ病(1588mg/dl)が最も高く,後腹膜線維症または水腎症,膵・胆病変,間質性肺炎の順であった.後ろ向きの検討ではあるが全体で18例(54.5%)に間質性肺炎を含めた何らかの画像診断上の肺病変が拾い上げられた.【考察】IgG4関連疾患はいずれもステロイドが奏功例が多く,治療介入により病態の長期の予後は変化し無治療の自然史を補足することは困難であるが,今回の検討ではIgG4が高値,若年で診断されるミクリッツ病と診断時期が高齢である後腹膜線維症または水腎症では,症状発現の年代が受診動機,診断確定時期に影響することが示唆された.一方,IgG4値や罹病期間によらず,画像所見として肺病変の出現頻度が高く,対象全般に診断を要すると考えらた.【結語】IgG4関連疾患群における横断的検討では,膵・胆管病変は罹病期間やIgG4値高値の程度にかかわらず検索を要する. |
索引用語 |
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