セッション情報 口演

自己免疫性膵炎

タイトル O-379:

血清IgG4陰性自己免疫性膵炎(AIP)の臨床的特徴についての検討

演者 堀口 繁(岡山大学病院消化器内科)
共同演者 加藤 博也(岡山大学病院消化器内科), 室 信一郎(岡山大学病院消化器内科), 野間 康宏(岡山大学病院消化器内科), 山本 直樹(岡山大学病院消化器内科), 原田 亮(岡山大学病院消化器内科), 堤 康一郎(岡山大学病院消化器内科), 友田 健(福山市民病院消化器内科), 植木 亨(福山市民病院消化器内科), 白羽 英則(岡山大学病院消化器内科), 岡田 裕之(岡山大学病院光学医療診療部), 八木 孝仁(岡山大学病院肝胆膵外科), 山本 和秀(岡山大学病院消化器内科)
抄録 【背景・目的】自己免疫性膵炎(AIP)では多くの症例で血清IgG4は上昇し,診断基準にも用いられているが,その一方で血清IgG4陰性AIPの臨床的特徴の十分な検討はなされておらず,しばしば診断に難渋する.今回我々はIgG4陰性AIPの臨床的特徴を検討した.【方法】対象は当院及び福山市民病院で診断した疑診を含むAIP39例で自己免疫性膵炎臨床診断基準2011に基づき診断した.血清IgG4値≧135mg/dl(陽性群)32人と陰性群7人に分け,膵臓と胆管の画像所見,膵外病変,初診時血液検査データを検討した.経過を追えた30例(陽性群24例 陰性群6例)で再発の有無を,手術例4例(陽性群3例,陰性群1例)では検体中IgG4陽性細胞数を検討した.【結果】陰性群の確診例は手術例と膵外病変例の2例(28%)のみであり疑診5例は診断にステロイド(PSL)の治療効果確認を要した.膵腫大(びまん/限局),膵管像,capsule-like rimや胆管病変の有無に両群に差は無く,胆管病変合併例(陽性群16例,陰性群5例)では病変部位の差も認めなかった.膵外病変は陽性群18例,陰性群5例に認めたが有意差は無かった.血液検査では陽性群でアミラーゼの低下(p=0.015),IgMの低下(p=0.057),陰性群でIgGが低下する傾向(p=0.068)にあった.治療中30例中3例(陽性群2例,陰性群1例)が再発したが再発率に差は認めなかった.手術標本の免疫染色では両群のIgG4陽性細胞数に差は認めなかった.【考察】IgG4陰性AIPの治療前診断は困難であり,PSLへの反応を診断に用いても疑診となるものが多かった.陰性群の画像的特徴,膵外病変及びPSL治療効果は陽性群と差を認めなかったが,血液検査上アミラーゼ,IgG,IgMで差を認め,血清IgG4値の違いが免疫学的機序に何らかの影響を与える可能性があり,今後症例を集積する必要があると考えられた.
索引用語