セッション情報 口演

自己免疫性膵炎

タイトル O-380:

当科における自己免疫性膵炎の病理組織学的診断に対する検討

演者 田中 卓(豊橋市民病院消化器内科)
共同演者 松原 浩(豊橋市民病院消化器内科), 浦野 文博(豊橋市民病院消化器内科), 藤田 基和(豊橋市民病院消化器内科), 内藤 岳人(豊橋市民病院消化器内科), 山田 雅弘(豊橋市民病院消化器内科), 山本 英子(豊橋市民病院消化器内科), 竹山 友章(豊橋市民病院消化器内科), 鈴木 博貴(豊橋市民病院消化器内科), 廣瀬 崇(豊橋市民病院消化器内科), 芳川 昌功(豊橋市民病院消化器内科), 岡村 正造(豊橋市民病院消化器内科)
抄録 【背景】2011年の自己免疫性膵炎(AIP)の診断基準では主要5項目が定められている.主要項目である画像所見,および血清学的項目,随伴症状に関する項目に関しては一定のコンセンサスが得られているが,病理組織学的診断については,その採取法・診断能に関して様々な報告が散見される.病理組織学的診断の向上が,AIP全体の診断能の上昇において重要な役割があると考えられる.【目的】AIPにおける病理組織学的診断の第一選択を明らかにすること.【対象】2003年2月から2013年9月までに,当科において日本膵臓学会AIP診断基準を満たしたAIP症例26例のうち,EUS-FNAないし経乳頭的胆管生検を行った12例.【方法】超音波内視鏡下穿刺生検(EUS-FNA)と経乳頭的胆管生検の病理組織学的診断能を比較した.経乳頭的胆管生検は,超音波内視鏡検査(EUS)ないし,ERCPに引き続いて施行した管腔内超音波検査(IDUS)により胆管壁肥厚部位を確認し,可能な限りERCPでの狭窄部位あるいはIDUSでの胆管壁肥厚部位から3回以上の生検を行った.EUS-FNAは,EUSで低エコー病変を確認し,同部位より組織採取を行った.On site oncologist attendance法を採用し,十分な検体が採取されるまで穿刺を行った.AIP診断基準2011における病理所見でIVb以上となる,2項目以上の所見が得られた場合に病理組織学的正診とした.【結果】性別:男性19例,女性7例.平均年齢:63.4±14.8(18~82)歳.診断時血清IgG4値:平均値404.1±350.0(10~1100)mg/dL.病変の主座:膵全体11例,膵頭部8例,膵体部4例,膵体尾部1例,膵尾部2例.病理組織学的正診率は,胆管生検施行例8例中4例(50%),EUS-FNA施行例10例中8例(80%)であった.【結論】AIPの診断において,病理組織学的診断はEUS-FNAによる膵組織の直接生検が胆管生検より高い正診率が得られた.AIPにおける病理組織学的診断は,EUS-FNAが第一選択であると考えられた.
索引用語