セッション情報 | 口演自己免疫性膵炎 |
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タイトル | O-381:自己免疫性膵炎のSteroid効果判定における腹部超音波の有用性 |
演者 | 松林 宏行(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科) |
共同演者 | 岸田 圭弘(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 杉本 真也(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 田中 泰敬(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 新城 邦裕(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 五十嵐 公洋(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 吉田 将雄(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 川田 登(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 田中 雅樹(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 角嶋 直美(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 滝沢 耕平(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 今井 健一郎(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 堀田 欣一(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科), 小野 裕之(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科) |
抄録 | 【目的】腹部超音波(US)は低侵襲で簡便に膵を評価できる画像検査である.Steroid反応性は自己免疫性膵炎(AIP)の特徴的所見の1つであり,本邦診断基準(2011)にoptionとして組み込まれているが,USによるsteroid効果判定の既報は少ない.【方法】2004年~2012年に本邦診断基準(2011)に基づいて当院で診断した46例のAIPのうちsteroid治療を行った33例(男女比26:7,年齢63(45~78)歳,確診31例・疑診2例)を対象とした.症例のBody mass indexは22±3kg/m2であった.血清IgG値の検索とUSをsteroid開始前(33例),開始2週間後(28例),1ヶ月後(19例)に施行した.経過観察期間は平均42(3~81)ヶ月.2週間後のUSでsteroid反応性がみられないまたは判然としない症例は全例1ヶ月後のUSを施行した.【成績】USにて,AIP例の膵病変の縮小はsteroid開始2週間後で86%の症例で,1ヶ月後迄に97%の症例で確認された.膵病変の前後径の最大値は2週間で28.0mmから21.6mmまで縮小し(P<0.0001),膵病変の内部エコー所見も1ヶ月で有意に改善した.膵周囲のリンパ節腫大(48%)や腹部大動脈壁肥厚(12%)の殆どが2週間で縮小を認めた.血清IgG値はsteroid開始1ヶ月間はコンスタントに低下傾向を示したが(P<0.0001),血清IgGの反応性が良い例では悪い例より再発頻度が高率であった(42% vs. 0%,P=0.03).AIP確診の1例ではUSやCTではsteroid反応性を確認出来ず,ERCPでのみ確認し得た.【結論】AIPの殆どの症例においてsteroid開始2週間で腹部超音波による膵病変の縮小が確認された.USは低侵襲で簡便な検査であり,AIPのsteroid反応性を確認する最初の検査として妥当であると考えられたが,非典型例やUSで十分な反応を認めない症例等ではさらなる精査が必要と考えられた. |
索引用語 |