セッション情報 口演

膵 EUS 1

タイトル O-384:

EUS-FNAの正診率向上を目指して 造影EUS-FNAの有用性

演者 竹山 友章(豊橋市民病院消化器内科)
共同演者 松原 浩(豊橋市民病院消化器内科), 浦野 文博(豊橋市民病院消化器内科), 藤田 基和(豊橋市民病院消化器内科), 内藤 岳人(豊橋市民病院消化器内科), 山田 雅弘(豊橋市民病院消化器内科), 山本 英子(豊橋市民病院消化器内科), 田中 卓(豊橋市民病院消化器内科), 廣瀬 崇(豊橋市民病院消化器内科), 芳川 昌功(豊橋市民病院消化器内科), 鈴木 博貴(豊橋市民病院消化器内科), 岡村 正造(豊橋市民病院消化器内科)
抄録 【背景】EUS-FNAは2010年に本邦で保険収載され,組織学的診断法として広く普及している.より適切な治療のためにさらなる診断能向上が求められている.【目的】当科におけるEUS-FNAの正診率に関与する因子を明らかにし,造影EUS-FNA(CEEUS-FNA)の有用性を評価すること.【方法】2011年4月から2013年8月までに当科で施行したEUS-FNA 99例について,対象疾患,腫瘤径が正診率に与える影響について検討し,さらにCEEUS-FNAの診断能について評価した.CEEUS-FNAは,convex EUSでB-mode観察を行った後に,SonazoidRを投与し病変の血流を評価することで,viable partを確認しEUS-FNAを施行した.なお,本検討におけるSonazoidRの適応外使用については,当院倫理審査委員会の承認を得て行った.【結果】EUS-FNA全体の検体採取率は85.9%であり,正診率は71.7%であった.対象病変の内訳は,膵癌35例,自己免疫性膵炎(AIP)10例,リンパ節転移11例,転移性膵腫瘍7例,神経内分泌腫瘍7例,悪性リンパ腫4例,その他が26例であった.正診率は膵癌72.2%,AIP 60.0%,リンパ節転移81.8%,転移性膵腫瘍57.1%,神経内分泌腫瘍85.7%,悪性リンパ腫100%であった.腫瘤性病変に対しては,病変径が10mm未満のものが4例,10mm以上30mm未満は43例,30mm以上は35例で,それぞれの正診率は25.0%,76.1%,71.4%であった.30mm以上に対して施行した6例のCEEUS-FNAの正診率は83.3%であった.腫瘤性病変全体に対する非造影EUS-FNA,CEEUS-FNAの正診率は,それぞれ69.0%,81.8%であった.【結語】腫瘤径が10mm未満の症例は検体量が少なく正診率が低かった.また30mm以上の腫瘤も正診率が落ちる傾向にあり,これは内部壊死などによりviable partに穿刺できなかったためと考えられた.CEEUS-FNAにより確実にviable partを穿刺することで,診断率が向上する可能性が示唆された.
索引用語