セッション情報 口演

膵 EUS 1

タイトル O-385:

膵腫瘤に対するEUS-FNAの検討―Echo Tip? ProCore vs. Ultra

演者 北村 勝哉(昭和大学消化器内科)
共同演者 山宮 知(昭和大学消化器内科), 石井 優(昭和大学消化器内科), 佐藤 悦基(昭和大学消化器内科), 岩田 朋之(昭和大学消化器内科), 野本 朋宏(昭和大学消化器内科), 吉田 仁(昭和大学消化器内科)
抄録 【目的】EUS-FNAの正診率向上には,穿刺針の選択,穿刺手技,検体処理法などが関与する.当施設における膵腫瘤に対するEUS-FNAの成績を検討する.【方法】当施設でのEUS-FNAは,2012年6月以前は,Echo Tip? Ultra(COOK medical社製)による吸引陰圧法を施行していたが,同年6月より,Echo Tip? ProCore(COOK medical社製)によるslow pull法に変更した.採取した検体は,細胞診と組織診の両方に提出し,病理診断を行った.2009年8月~2013年8月まで,膵腫瘤に対してEUS-FNAを施行した77例を対象とし,成績をretrospectiveに検討した.中央(最小~最大)値表記.【成績】EUS-FNA 77例の年齢は,69(18~86)歳,男性42,女性35例.病変部位は,頭部22,体尾部55例であり,腫瘤径は,30(10~83)mmであった.使用した穿刺針は,ProCore 37例(P群),Ultra 40例(U群)であり,19/22/25Gは,13/48/16例であった.疾患の内訳は,悪性腫瘍64例(膵癌57,pNET 2,転移性膵癌2,膵腺扁平上皮癌1,退形成癌1,IPMC 1例),良性腫瘤13例(AIP 6,腫瘤形成性膵炎5,その他2例)であった.P群とU群における,年齢,性別,病変部位,疾患内訳に有意差を認めなかったが,腫瘤径(24 vs. 32 mm,p=0.008),19/22/25G(7/17/13 vs. 6/31/3例,p=0.006)に有意差を認めた.検体採取率(100 vs. 100%),良悪性診断(組織診または細胞診)における感度(87 vs. 73%),特異度(100 vs. 100%),正診率(89 vs. 78%)は,両群間で有意差を認めなかった.また,悪性診断における組織診陽性率(42 vs. 59%),細胞診陽性(Class IV以上)率(71 vs. 59%)は,両群間で有意差を認めなかった.【結論】当施設における膵腫瘤に対するEUS-FNAの検討では,Echo Tip? ProCoreによるslow pull法は,Ultraによる吸引陰圧法と同等の診断成績である可能性が示唆される.
索引用語