セッション情報 |
口演
膵 EUS 2
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タイトル |
O-388:EUS-guided through-the-needle biopsy(EUS-TTNB):確実な組織検体採取への試み
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演者 |
中井 陽介(東京大学消化器内科) |
共同演者 |
伊佐山 浩通(東京大学消化器内科), 小池 和彦(東京大学消化器内科) |
抄録 |
【目的】EUS-FNAにおいて,良悪性診断には穿刺が容易な細径針でも高い診断能が報告されているが,AIPや悪性リンパ腫など免疫染色が必要な疾患では19G針による組織診の有用性が知られている.また近年進歩が著しい胆膵癌の化学療法においても今後個別化治療が実現化すると,より大きな組織検体が必要となることが予想される.今回,より確実な組織検体採取を得ることを目的に,19G針に挿入可能な細径生検鉗子を用いたEUS-guided through-the-needle biopsy(EUS-TTNB)を検討した.【方法】19G FNA針のスタイレットを抜去,0.075mm細径鉗子を針先端から2-3mm引いた位置まで挿入した状態で,通常のEUS-FNA同様に病変を穿刺.細径鉗子を針の先端から病変内へ挿入.鉗子生検を行った後に,FNA針を病変内に残したまま,生検鉗子のみ抜去.引き続いて通常のFNAを行い,1回の穿刺で,EUS-TTNBとEUS-FNAの検体採取を行った.検体採取率(肉眼・組織)と診断能・安全性を評価した.【結果】12年12月~13年9月に12例(膵腫瘍10例・腹腔内腫瘤1例),13sessionのEUS-TTNBを施行(initial session 10,EUS-FNA未確診に対するsalvage session 3),合計33pass.腫瘍径中央値29mm.穿刺経路は,経胃11,経十二指腸2.最終診断はadenocarcinoma 5,sarcoma 1,NET 1,AIP 4,necrotic tumor 1,shwannoma 1.偶発症は1例で高amylase血症を認めた.per passでのEUS-TTNBによる肉眼的組織検体採取率61%,組織診可能率61%.EUS-TTNB+FNAの組織診・細胞診を合わせた検体採取率は,per pass 88%,per session 92%.EUS-TTNB+EUS-FNAによる良悪性正診率は,同様にper pass 88%,per session 92%であった.【結語】EUS-TTNBは,EUS-FNAと同様に技術的に施行可能で,1回の穿刺で引き続いてEUS-FNAによる検体採取も可能であることから,より多くの検体採取につながる可能性がある.検体採取量向上には,生検鉗子の改良が必要と考えられた.今後多施設共同前向き試験による多数例での安全性と有用性の評価を予定している. |
索引用語 |
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