セッション情報 | 口演膵 EUS 2 |
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タイトル | O-390:当院における逆刃付側孔を有するEUS-FNA針の診断能の検討 |
演者 | 井上 匡央(岐阜県立多治見病院消化器内科) |
共同演者 | 奥村 文浩(岐阜県立多治見病院消化器内科), 鈴木 雄太(岐阜県立多治見病院消化器内科), 市川 紘(岐阜県立多治見病院消化器内科), 福定 繁紀(岐阜県立多治見病院消化器内科), 加地 謙太(岐阜県立多治見病院消化器内科), 安部 快紀(岐阜県立多治見病院消化器内科), 岩崎 弘靖(岐阜県立多治見病院消化器内科), 西江 裕忠(岐阜県立多治見病院消化器内科), 水島 隆史(岐阜県立多治見病院消化器内科), 佐野 仁(岐阜県立多治見病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】最近EUS-FNAにおいて,検体採取量の向上を目的に逆刃付きの側孔を有する穿刺針が開発された.この穿刺針の有用性を評価するため従来の側孔無しの穿刺針と診断能を比較検討した.【対象】2012年4月から2013年9月までに当院でEUS-FNAを施行した106例を,側孔付群52例(膵腫瘍19例,SMT14例,リンパ節10例,他9例),側孔無群54例(膵腫瘍22例,SMT12例,リンパ節14例,他6例)と割り付けた.【方法】側孔付群はProCore 19/22/25G(Cook Medical),側孔無群はExpect 19/22/25G(Boston Scientific)を使用した.両群における検体採取率,正診率を病変別,腫瘍径別に評価した.検体処理に関しては当院では迅速細胞診は施行出来ず,採取した検体から明らかな組織片をホルマリン固定し,残った液状検体はオートスメア法にて遠心塗抹した.【結果】側孔付群は検体採取率98.1%(51/52),正診率は膵腫瘍84.2%(16/19),SMT92.9%(13/14),リンパ節100%(10/10),全体で92.3%(48/52)であった.側孔無群では検体採取率94.4%(51/54),正診率は膵腫瘍81.8%(18/22),SMT75.0%(9/12),リンパ節92.9%(13/14),全体で85.2%(46/54)であり,有意差は認めなかったが側孔無群ではSMTで診断能が低い傾向であり,全体の正診率にも影響した.腫瘍径別では側孔付群は≦20mm:80.0%(16/20),>20mm:100%(32/32)であり診断不能例は全例20mm以下であった.これに対して側孔無群では≦20mm:89.7%(26/29),>20mm:80.0%(20/25)であった.合併症はいずれの群でも認めなかった.【結論】1)逆刃付側孔を有する穿刺針は,側孔無しの穿刺針とほぼ同等に組織を採取することが可能であった.2)SMTの穿刺において逆刃付側孔が有効に作用した可能性が考えられた.3)側孔付穿刺針では腫瘍径20mm以下で有意に診断能が低下した.小腫瘍では側孔のためストロークが十分にとれなかった可能性等が考えられた.今後多数例での検討が期待される. |
索引用語 |