セッション情報 口演

膵 EUS 2

タイトル O-391:

逆刃付側孔を有するEUS-FNA針の膵腫瘍,粘膜下腫瘍に対する診断能

演者 岩井 知久(北里大学東病院消化器内科)
共同演者 木田 光広(北里大学東病院消化器内科), 山内 浩史(北里大学東病院消化器内科), 奥脇 興介(北里大学東病院消化器内科), 宮澤 志朗(北里大学東病院消化器内科), 竹澤 三代子(北里大学東病院消化器内科), 菊池 秀彦(北里大学東病院消化器内科), 渡辺 摩也(北里大学東病院消化器内科), 今泉 弘(北里大学東病院消化器内科), 小泉 和三郎(北里大学東病院消化器内科)
抄録 【背景と目的】超音波内視鏡下吸引穿刺生検法(EUS-FNA)は,膵腫瘍,粘膜下腫瘍,リンパ節等に対する病変のサンプリングのために広く行われ,診断能向上のために穿刺針の径や穿刺回数などの検討がこれまで多くなされてきた.昨年から日本で使用可能となった逆刃付の側孔を有するProCore針(Cook medical社)はいわゆる“引き切り”の有効性が期待される穿刺針でありその診断能をretrospectiveに検討した.【方法】2012年7月から2013年6月の間に治療方針決定のためにEUS-FNAを必要とした病変の中で,同一病変に対し25-19Gの通常針(EZ shot2/Expect/Echo-Tip)とProCore針とで交互に穿刺し,通常針の際は10-20mlの陰圧をかけ,ProCore針の際には,スタイレットをゆっくりと引き抜くslow pull法にて検体を採取した.検体はスピッツ管中の生理食塩水に押し出した後,固形検体をホルマリン固定・パラフィン包埋後H.E.染色し,残った液状検体はオートスメアにてスライドガラスに塗布後パパニコロウ染色を行った.【結果】全体で65回のEUS-FNA検査が対象となり,1回の検査につき2-5回の穿刺を行った.診断能は通常針,ProCore針でそれぞれ,膵腫瘍88.2%(30/34)v.s.88.2%(30/34),粘膜下腫瘍88.2%(15/17)v.s.88.2%(15/17),リンパ節・その他92.9%(13/14)v.s.92.9%(13/14)で両者に差はなかった.粘膜下腫瘍の免疫染色による確定診断はそれぞれ58.8%(10/17)v.s.52.9%(9/17)で同等であったが,組織採取率は70.6%(12/17)v.s.94.1%(16/17)(p=0.072)とProCore針で高い傾向が得られた.【結語】逆刃付側孔を有する穿刺針は,これまでの穿刺針と比較して診断能の向上は得られなかった.
索引用語