セッション情報 口演

膵 EUS 3

タイトル O-393:

当院におけるInterventional EUSの有用性と問題点

演者 蘆田 玲子(大阪府立成人病センター検診部消化器検診科)
共同演者 井岡 達也(大阪府立成人病センター検診部消化器検診科), 片山 和宏(大阪府立成人病センター検診部消化器検診科)
抄録 【目的】当院におけるInterventional EUSの有用性ならびに問題点について検討する.【対象】2011年4月から2013年9月までに施行した治療的Interventional EUS19例(腹腔神経叢/節破壊術(EUS-CPN/CGN)12例,EUS下点墨術(EUS-tattooing)3例,術前化学放射線療法症例に対するEUS下金属マーカー留置術(EUS-guided fiducial marker placement)4例)【方法】1)EUS-CPN/CGN:EUS下に腹腔神経節が同定出来た症例に対しては22G針を用いて無水エタノールを直接注入した.続いて腹腔動脈根部または周囲にエタノール:ブピバカイン:造影剤=7:3:1(total 11ml)の割合で混ぜたものを局注した.術直後に腹部CTを撮影し,造影剤の範囲を確認した.2)EUS-tattooing:手術の前日に処置を施行した.まず22G針からスタイレットを抜去し,5mlに溶解したICG溶液を充填し,病変直上の膵実質辺縁に0.3ml局注した.術中は高感度ICG検出器(HEMS)下に局注した部位を同定した.3)EUS-guided fiducial marker placement:現在専用のデバイスはないため,対外式VISICOIL Pre-Loaded Gold Markerの金属マーカー部分を取り出し,19Gもしくは22G針へと用手的に装着し,脱落防止に蜜蝋で密封後EUSおよび透視下に留置した.【成績】1)EUS-CPN/CGN施行例では11/12例(91.6%)において2以上のVAS scoreの改善がみられた.しかしその後10/11例(90.9%)に疼痛の再燃がみられた.再燃が早かった症例は術前に投与されていた麻薬の量が多い傾向が見られた.2)2/3例で術中病変の同定が可能であった.局注した部位に膵炎などの偶発症はみられなかった.3)全例で留置が可能であった.留置後胆管炎を1例に発症したが,手術後の標本では明らかな炎症はみられなかった.放射線治療時に留置したmarkerを追随することにより,より効果的かつ偶発症の少ない照射が可能となった.【結論】Interventional EUSの有用性は示されたが,それぞれの手技の適応,手技の標準化や保険適応などは今後の課題である.
索引用語