セッション情報 | 口演膵 EUS 3 |
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タイトル | O-396:当院における膵仮性嚢胞およびWalled-off necrosis(WON)に対する治療戦略 |
演者 | 牛尾 純(自治医科大学附属病院消化器肝臓内科) |
共同演者 | 沼尾 規且(自治医科大学附属病院消化器肝臓内科), 横山 健介(自治医科大学附属病院消化器肝臓内科), 畑中 恒(自治医科大学附属病院消化器肝臓内科), 冨山 剛(自治医科大学附属病院消化器肝臓内科), 玉田 喜一(自治医科大学附属病院消化器肝臓内科), 山本 博徳(自治医科大学附属病院消化器肝臓内科), 菅野 健太郎(自治医科大学附属病院消化器肝臓内科) |
抄録 | 【目的】当院では感染を伴う膵仮性嚢胞およびWONのドレナージの際に,不要な外瘻術を避けるための試みとして,嚢胞径や炎症反応を指標とした術式の選択を行っている.現状での当院における治療戦略と成績を供覧する.【方法】2009年4月からの4年6ヶ月の間で超音波内視鏡下ドレナージ(EUS-CD)を行った26例のうち,臨床的に感染を伴っていた18例を対象とした.嚢胞径や炎症反応を指標として14例は内瘻のみ,4例は内外瘻とし,改善の得られなかった症例は再穿刺や内視鏡的壊死組織除去術などの追加処置を加えた.【成績】当院では原則として通電法でEUS-CDを行っている.全例で偶発症なく,手技を完遂した.結果として内外瘻群はいずれも15cm以上の腔を有するWONであった.内瘻群のうち10例(71.4%)は内瘻のみで改善した.追加処置が必要となった4例の内訳は,ステント脱落が1例,サイズが大きいものの敢えて内瘻のみとした症例が2例,全身状態不良のため内視鏡的壊死組織除去術前に計画的に内瘻を行った症例が1例であった.内視鏡的壊死組織除去術を行った症例を除き,いずれも再穿刺やステントの追加留置などで改善が得られた.内外瘻群のうち2例は内視鏡的壊死組織除去術を要したが,残りの2例は1週間後に外瘻カテーテルを抜去して内瘻のみとし,改善が得られた.【結論】内視鏡的壊死組織除去術を要した症例は20cm以上の巨大な腔を有するWONのみであり,20cm以下のWONあるいは感染性嚢胞の多くは内瘻のみで改善が得られた.つまり20cm以上のWONに対して外瘻あるいは一期的な内視鏡的壊死組織除去術を行うことで,不要な外瘻を避けることができ,患者への侵襲や入院期間の短縮などの利点が生じ得ると思われた.今後も内視鏡的壊死組織除去術が必要な症例を事前に抽出し,一貫した治療戦略を確立する工夫が必要であると考える. |
索引用語 |