セッション情報 | 口演NASH,NAFLD 1 |
---|---|
タイトル | O-398:メトホルミンの脂肪細胞に対する分化抑制機構を介したNASHの治療戦略―基礎的検討 |
演者 | 藤田 浩二(香川大学医学部消化器神経内科) |
共同演者 | 桂 明子(香川大学医学部消化器神経内科), 坂本 鉄平(香川大学医学部消化器神経内科), 森下 朝洋(香川大学医学部消化器神経内科), 前田 瑛美子(香川大学医学部消化器神経内科), 二村 志麻(香川大学医学部消化器神経内科), 野村 貴子(香川大学医学部消化器神経内科), 谷 丈二(香川大学医学部消化器神経内科), 三好 久昭(香川大学医学部消化器神経内科), 米山 弘人(香川大学医学部消化器神経内科), 樋本 尚志(香川大学医学部消化器神経内科), 正木 勉(香川大学医学部消化器神経内科) |
抄録 | 【目的】NASHは非ウイルス性肝硬変及び肝細胞癌の原因として知られているが,その治療方法は未だ確立されていない.NASHの背景にメタボリックシンドロームがあり,内臓脂肪の蓄積とNASHとの関連も指摘されている.今回我々はメトホルミンによるin vitroにおける脂肪分化の抑制と,NASHモデル動物を用いたメトホルミンのNASHへの進行抑制を認め,その抑制効果に関与するmiRNAを抽出したので,ここに報告する.【方法】In vitroの検討:ヒト前駆内臓脂肪細胞株HPrAD-visに対し1mMのメトホルミン添加群とcontrol群(メトホルミン添加なし)について,脂肪分化のマーカーであるアディポネクチンをELISAで定量し,それぞれの群の脂肪滴をOil red染色にて評価した.In vivoの検討:メチオニン・コリン欠乏食(MCD食)によるNASHモデルマウスにおいてメトホルミン投与マウス群とコントロール群における肝組織の線維化,脂肪化をHE,アザン,Oil red染色によって評価した.またin vitro,in vivoにおけるメトホルミンの脂肪化の抑制効果に関連する共通のmiRNAを2019分子が搭載されたチップを用いて抽出した.【成績】In vitroの検討:メトホルミンが前駆脂肪細胞から成熟脂肪細胞への分化を抑制することをOil red染色による脂肪滴の減少とアディポネクチンの低下から示された.In vivoの検討:メトホルミンを投与したMCD食によるNASHマウスは,controlと比較し有意に線維化及び脂肪化の抑制を示し,さらにALTの低下も認めた.In vitro,in vivoにおけるメトホルミンの脂肪への分化抑制,NASHモデルの線維化及び脂肪化の改善に共通するmiRNAは2019分子のmiRNAのうちでlet-7eのみであった.【結論】メトホルミンは脂肪細胞の分化抑制,NASHの進展抑制を示した.メトホルミンによる脂肪細胞の分化抑制,NASHの進展抑制に関連するmiRNAは2019分子のmiRNAのうちlet-7eのみと考えられた. |
索引用語 |