セッション情報 | 口演NASH,NAFLD 1 |
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タイトル | O-399:分岐鎖アミノ酸によるNASHマウスモデルにおける肝脂肪抑制効果 |
演者 | 本多 隆(名古屋大学医学部附属病院消化器内科) |
共同演者 | 石上 雅敏(名古屋大学医学部附属病院消化器内科), 新家 卓郎(名古屋大学医学部附属病院消化器内科), 今井 則博(名古屋大学医学部附属病院消化器内科), 阿知波 宏一(名古屋大学医学部附属病院消化器内科), 荒川 恭宏(名古屋大学医学部附属病院消化器内科), 山田 恵一(名古屋大学医学部附属病院消化器内科), 中野 聡(名古屋大学医学部附属病院消化器内科), 石津 洋二(名古屋大学医学部附属病院消化器内科), 葛谷 貞二(名古屋大学医学部附属病院消化器内科), 林 和彦(名古屋大学医学部附属病院消化器内科), 石川 哲也(名古屋大学医学部附属病院消化器内科), 中野 功(名古屋大学医学部附属病院消化器内科), 後藤 秀実(名古屋大学医学部附属病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】分岐鎖アミノ酸(BCAA)は肝硬変患者の低アルブミン血症治療として使用され,累積合併症発生率を抑制させた.またその層別解析においてBMI25以上の男性では発癌抑制効果が見られ,肝脂肪化抑制が示唆されている.そこでNASHにおけるBCAAの肝脂肪化,線維化の進展抑制について検討するため,マウスNASHモデルにおいてBCAAを投与しNASH脂肪抑制効果とそのメカニズムを検討した.【方法】C57BL/6J雄マウス8週齢にcholine-deficient and high fat diet(CDHF)とコリンを補充したcholine-sufficient and high fat diet(CSHF)を8週給餌した.CDHF,CSHFともにcontrol群とBCAA群(2% BCAA給水)を作成した.肝組織,血液を採取し血清ALT値,血清TG,肝組織中のTG値などを測定した.肝組織中の脂肪滴の面積をイメージ解析ソフトにより定量化した.また肝臓における脂肪酸代謝に関する遺伝子発現について各群で比較検討した.【結果】CDHF-control群ではCSHF-control群と比較して肝TG値,血清ALTと血清TGの有意な上昇が見られた.肝組織ではCDHF-control群ではCSHF-control群と比較して炎症細胞浸潤,肝細胞周囲の線維化がみられNAFLD activity scoreは5.8±0.2,Fibrosis stagingは2とNASHに進展していた.CDHF-BCAA群ではCDHF-control群と比較して肝TG値が有意に低下し,脂肪滴の面積も有意に低下していた.脂肪酸合成の律速酵素であるFASN遺伝子の発現はCDHF-control群ではCSHF-control群と比較して有意に増加し,CDHF-BCAA群ではCDHF-control群と比較して有意に低下していた.コレステロール合成の上流のSrebf2遺伝子の発現はCDHF-BCAA群でCDHF-control群と比較して有意に低下していた.【結論】NASHマウスモデルにおいてBCAA投与は肝臓における脂肪合成の最終段階であるFASN遺伝子の発現を低下させ,肝脂肪を減少させる可能性が示唆された. |
索引用語 |