セッション情報 口演

NASH,NAFLD 1

タイトル O-401:

非アルコール性脂肪性肝疾患に対するイソフラボンの予防効果の検討

演者 堅田 和弘(京都府立医科大学消化器内科学)
共同演者 内藤 裕二(京都府立医科大学消化器内科学), 大矢 友子(京都府立医科大学消化器内科学), 水島 かつら(京都府立医科大学消化器内科学), 岡山 哲也(京都府立医科大学消化器内科学), 吉田 直久(京都府立医科大学消化器内科学), 鎌田 和浩(京都府立医科大学消化器内科学), 内山 和彦(京都府立医科大学消化器内科学), 半田 修(京都府立医科大学消化器内科学), 石川 剛(京都府立医科大学消化器内科学), 高木 智久(京都府立医科大学消化器内科学), 小西 秀幸(京都府立医科大学消化器内科学), 八木 信明(京都府立医科大学消化器内科学), 市川 寛(同志社大学生命医科学部), 吉川 敏一(京都府立医科大学), 伊藤 義人(京都府立医科大学消化器内科学)
抄録 【目的】メタボリックシンドロームやその肝臓での表現型とされる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は,動脈硬化性疾患,糖尿病,悪性疾患の高危険群であり,その病態に脂質代謝異常,酸化ストレスの関与が示唆されている.またコレステロールの肝臓への取り込みと蓄積に,酸化ストレス由来タンパク質の修飾反応の役割が報告されている.イソフラボンは,フラボノイドの一種で,大豆に多く含まれており,抗肥満や血糖低下作用が報告されている.本研究では,西洋型食によるNAFLDモデルを用いて,NAFLDにおける酸化ストレス発症起因を解明し,イソフラボンのNAFLD発症に対する予防効果を解明することを目的とする.【方法】西洋型食(高脂肪,高コレステロール,高スクロース含)をC57BL6マウスに摂取させるNAFLDモデルを作成,イソフラボン投与群ではイソフラボン0.05%混合飼料を摂取させた.8週間後に,肝臓・血清・赤血球を採取し,肝臓重量,血清生化学,肝臓の組織学,肝臓中の脂質,および赤血球中の酸化ストレス由来タンパク質修飾の検討を行った.【結果】西洋型食摂取による体重や肝臓重量の増加,血清ALTの増加,肝組織の脂質蓄積,肝臓のトリグリセライドの増加は,イソフラボン投与により軽減された.マウスの赤血球では,西洋型食で誘導された脂質過酸化由来アルデヒド化合物である4-ヒドロキシ-2-ノネナール(HNE)によるタンパク質の修飾増加,解糖系およびメイラード反応中間体であるメチルグリオキザール(MG)による抗酸化酵素ペルオキシレドキシン6の修飾増加は,イソフラボン投与によって軽減される傾向が認められた.【結論】NAFLDにおいて酸化ストレス由来のタンパク質の修飾反応が明らかにされた.NAFLD発症に対するイソフラボンの予防効果が明らかにされた.
索引用語