セッション情報 口演

NASH,NAFLD 2

タイトル O-402:

エネルギー代謝状態によるNAFLDの病態選別と治療候補分子の動態評価

演者 須田 剛士(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学)
共同演者 横尾 健(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学), 兼藤 努(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学), 上村 博輝(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学), 上村 顕也(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学), 土屋 淳紀(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学), 田村 康(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学), 高村 昌昭(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学), 五十嵐 正人(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学), 川合 弘一(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学), 山際 訓(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学), 野本 実(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学), 青柳 豊(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学)
抄録 【目的】活動量とBMIを指標としてエネルギー代謝の観点からNAFLD症例を群分けし,治療候補分子の動態を評価する.【方法】臨床的にNAFLDと診断された症例で,Virtual Touch Tissue Quantification(VTTQ),血中Osteopontin(OPT),血中Irisin濃度の測定が可能であった58例にアンケート用紙を郵送し,Brief-type self-administered Diet History Questionnaireを用いた食事摂取量の算出と,身体活動量質問票に基づき算出されたMetabolic Equivalent of Task Score(METs)による活動量評価を行った.【成績】回答を得た22例(37.9%)は,年齢63(Interquartile range:55-72)歳,BMI 25.2(22.6-27.7)kg/m2,摂取エネルギー量1483(1163-2114)kcal/day,活動量32.8(29.9-35.9)METs/dayであった.VTTQはOPTと強い相関を示したが(p<0.0001,r=0.59),Irisinとは弱い相関を示した(p=0.0064,r=-0.35).またIrisinは,19例において実測された安静時代謝量と有意な相関を示した(p=0.012,r=0.56).METs 33,BMI 25を閾値として低活動非肥満(LL)と同肥満(LH),高活動非肥満(HL)と同肥満(HH)の4群に分けると,活動量当たりの摂取エネルギー量は低活動群で高い傾向を示した(p=0.12).OPTとVTTQは肥満群でそれぞれ19.1(15.9-36.7)ng/mlと2.4(1.7-3.1)m/secで,非肥満群の15.3(10.8-15.8)と1.3(1. 1-2.0)に比しいずれも有意に高値だった(p=0.034,p=0.013).血中Irisin濃度は,LH,HLでそれぞれ84(74-88)ng/ml,144(106-156)と活動量に一致しHLで高い傾向を示したが(p=0.057),LL,HHでは127(90-175),112(106-140)と活動量に一致せず有意差を示めさなかった(p=0.45).【結論】OPTはエネルギー代謝状態と関係なく治療候補分子と成りうるが,Irisinの効果はLHに対して期待されるもののHHにおいては限定的であると推察された.
索引用語