セッション情報 | 口演NASH,NAFLD 3 |
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タイトル | O-406:食事速度と脂肪肝の関連に関する検討:高インスリン血症の成因的関与 |
演者 | 道堯 浩二郎(愛媛県立中央病院消化器病センター) |
共同演者 | 平岡 淳(愛媛県立中央病院消化器病センター), 二宮 朋之(愛媛県立中央病院消化器病センター), 山子 泰加(愛媛県立中央病院消化器病センター), 白石 明子(愛媛県立中央病院消化器病センター), 川村 智恵(愛媛県立中央病院消化器病センター), 達川 はるか(愛媛県立中央病院消化器病センター), 中原 弘雅(愛媛県立中央病院消化器病センター), 相引 利彦(愛媛県立中央病院消化器病センター), 奥平 知成(愛媛県立中央病院消化器病センター), 畔元 信明(愛媛県立中央病院消化器病センター), 谷平 哲哉(愛媛県立中央病院消化器病センター), 二宮 恵子(愛媛県立中央病院消化器病センター), 宮田 英樹(愛媛県立中央病院消化器病センター) |
抄録 | 【目的】食事速度がBMIと関連することを示す報告はみられるが,脂肪肝との関連に関する検討は少ない.食事速度と脂肪肝の関連ならびにその成因を明らかにすることを目的とした.【方法】対象は当院人間ドック受診例のうち飲酒家を除く1689人(男1119例,55.0±10.1歳;女570例,53.8±9.9歳).自己申告による食事の早さにより3群(人より遅い,普通,早い)に分け,BMI,腹部エコーで判定した脂肪肝,血液検査成績を比較した.【成績】男性で食事速度の遅い例,普通の例,早い例(F群)はそれぞれ93例,540例,486例であった.脂肪肝の頻度はそれぞれ34.4%,50.7%,62.3%,BMIはそれぞれ22.2±2.7,23.7±3.2,25.0±3.2で,いずれもF群で高かった.食事速度の遅い例,普通の例を合わせてnon-F群とし,non-F群とF群を比較するとFBS(103.9±25.4mg/dl vs 104.6±22.5mg/dl),HbA1c(5.31±0.82% vs 5.33±0.72%)には差がなかったが,空腹時インスリン(7.13±4.94μU/mL vs 8.53±6.94μU/mL,p<0.001)HOMA-R(1.91±1.84 vs 2.23±1.95,p<0.01)はF群で高かった.体重の因子を除外するためBMIが20~25の例で検討しても3群の脂肪肝の頻度はそれぞれ30.5%,40.6%,45.1%とF群で高く,non-F群とF群を比較した血液検査でもFBS,HbA1cには差がなく空腹時インスリンはF群で高かった(6.30±3.53μU/mL vs 7.08±6.36μU/mL,p<0.05).女性でも脂肪肝の頻度は3群でそれぞれ28.6%,33.2%,41.0%であり,F群で高かった.【結論】食事速度の速い群では脂肪肝の頻度が高かった.その原因として高インスリン血症が関与している可能性が推察され,NAFLDの治療戦略に本知見が応用できる可能性が示唆された. |
索引用語 |