セッション情報 | 口演NASH,NAFLD 3 |
---|---|
タイトル | O-407:NASHにおけるミトコンドリア障害の意義 |
演者 | 細川 貴範(武蔵野赤十字病院消化器科) |
共同演者 | 高田 ひとみ(武蔵野赤十字病院消化器科), 中岫 奈津子(武蔵野赤十字病院消化器科), 松田 秀哉(武蔵野赤十字病院消化器科), 金子 俊(武蔵野赤十字病院消化器科), 村岡 優(武蔵野赤十字病院消化器科), 山下 和子(武蔵野赤十字病院消化器科), 服部 伸洋(武蔵野赤十字病院消化器科), 玉城 信治(武蔵野赤十字病院消化器科), 安井 豊(武蔵野赤十字病院消化器科), 大崎 理英(武蔵野赤十字病院消化器科), 鈴木 祥子(武蔵野赤十字病院消化器科), 上田 研(武蔵野赤十字病院消化器科), 中西 裕之(武蔵野赤十字病院消化器科), 土谷 薫(武蔵野赤十字病院消化器科), 板倉 潤(武蔵野赤十字病院消化器科), 高橋 有香(武蔵野赤十字病院消化器科), 黒崎 雅之(武蔵野赤十字病院消化器科), 泉 並木(武蔵野赤十字病院消化器科) |
抄録 | 【目的】NASHの進展においてミトコンドリアでβ酸化を受けられず余剰となったアシルCoAがTGになり肝臓に沈着すると考えられている.一方mASTはASTのミトコンドリア由来のアイソザイムでありミトコンドリア障害を反映すると考えられるがNASHにおける意義は明らかではない.【方法】2011年6月以降にNAFLDに対して肝生検を行った32例について検討を行った.まだ同時期に肝生検を行ったC型肝炎132例との比較を行った.【結果】NAFLDは単純性脂肪肝が4例,brunt stage1が10例,2が8例,3が6例,4が4例であった.C型肝炎の線維化ステージはF0が5例,F1が53例,F2が38例,F3が27例,F4が9例であった.NAFLD,C型肝炎を比較するとNAFLDのほうがBMI(p<0.0001),Alb(p=0.01),LDH(p=0.0039),γGPT(p<0.0001),ChE(p<0.0001),血糖値(p=0.0063),LDL(p=0.006),TG(p<0.0001),フェリチン(p=0.0019),CRP(p=0.010),HbA1c(p<0.0001),BTR(p=0.038),BCAA(p=0.016),インスリン(p=0.0013)が高値であった.またNAFLDは糖尿病(p=0.036),脂質異常症(p=0.0052)の合併が多かった.ASTは有意差を認めなかったが(68.9vs59.9 p=0.33)ASTのアイソザイムであるmASTはNAFLDで高値であった(5.58vs3.76 p=0.01).またmAST/ASTもNAFLDで高値であった(0.088vs0.069 p=0.015).単純性脂肪肝とNASHを比較するとNASHではAST(p=0.0076),ALT(p=0.011),チロシン(p=0.0015),インスリン(p=0.015)が高値であった.またmASTもNASHで高値であった(2.50vs6.0 p=0.019).【結論】NAFLDはC型肝炎に比べて肥満傾向であり生活習慣病の合併が多く,それに関連すると思われる代謝異常を多く認めた.またNASHではmASTが上昇しているが,これはNASHでのミトコンドリア障害を反映していると考えられ,mASTはNASHの病状進展のモニターに有用であると考えられた. |
索引用語 |