セッション情報 |
口演
B型肝炎
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タイトル |
O-411:B型慢性肝疾患に対する核酸アナログ療法におけるGenotype別の比較検討
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演者 |
杉田 知典(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科) |
共同演者 |
安部 宏(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 島田 紀朋(新松戸中央総合病院消化器肝臓科), 關 伸嘉(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 会田 雄太(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科), 井家 麻紀子(新松戸中央総合病院消化器肝臓科), 加藤 慶三(新松戸中央総合病院消化器肝臓科), 相澤 良夫(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター消化器・肝臓内科) |
抄録 |
【目的】核酸アナログ療法の治療実態をGenotype別に分析し,その有用性と問題点を検証する.【方法】核酸アナログ療法を導入し,6か月以上経過を観察しえたB型慢性肝疾患250例を対象とし,数値は中央値で表した.内訳は男性156例/女性94例,年齢49(21~83)歳,慢性肝炎(CH)190例/肝硬変(LC)60例,21例に肝細胞癌(HCC)治療歴が,31例にInterferon(IFN)治療歴あり,26例でIFNが併用された.観察期間は44(6~152)か月.HBV-DNA量はTMA法3.7LGE/ml,PCR法2.6logcopies/ml,TaqManPCR法2.1logcopies/ml未満を測定感度以下と定義し,HBV genotype別の治療成績について比較検討を行った.【成績】全250例のGenotypeは,A17例(6.8%),B69例(27.6%),C162例(64.8%),D1例(0.4%),F1例(0.4%)であった.臨床背景の特徴として,Genotype Aで男性比率が高く(A/B/C;88.2/72.5/54.9%),Genotype Bで高年齢(A/B/C;43/55/47歳),LCの頻度が低く(A/B/C;29.4/10.1/29.6%),HBe抗原陽性率が低く(A/B/C;64.7/13.0/45.7%),Genotype Cで導入時のウイルス量が多かった(A/B/C;6.05/6.1/6.8 logcopy/ml).治療中成績では,ウイルス陰性化率には差を認めなかったが陰性化時期はGenotype Cで遅い傾向があった(A/B/C;2/2/3か月).また,治療中に18例(7.2%)で新たにHCCが出現し,出現時期の中央値は導入後38か月で,Genotype Bで出現率が低い傾向にあった(A/B/C;5.9/1.4/9.9%).【結論】核酸アナログ治療はいずれのGenotypeでも高い治療効果を発揮するが,それぞれ背景が異なり,HCC出現の頻度も異なる可能性が考えられ,Genotype測定は核酸アナログ治療を行う上で有用であることが示唆された. |
索引用語 |
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