セッション情報 | 口演B型肝炎 |
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タイトル | O-412:次世代シークエンサーを用いた核酸アナログ長期使用の耐性B型肝炎ウイルスの解析 |
演者 | 近藤 泰輝(東北大学病院消化器内科) |
共同演者 | 二宮 匡史(東北大学病院消化器内科), 小暮 高之(東北大学病院消化器内科), 井上 淳(東北大学病院消化器内科), 中込 悠(東北大学病院消化器内科), 木村 修(東北大学病院消化器内科), 諸沢 樹(東北大学病院消化器内科), 岩田 朋晃(東北大学病院消化器内科), 藤坂 泰之(東北大学病院消化器内科), 下瀬川 徹(東北大学病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】B型慢性肝炎の治療は核酸アナログ投与が標準である.しかし,長期に使用すると耐性ウイルスが生じる問題点がある.今回,我々は核酸アナログ長期使用症例の耐性モチーフを次世代シークエンサーを用いて解析した.【方法】対象は,2年以上の核酸アナログ使用もウイルス量が基準値以下にならない8症例を選択.1)ポリメラーゼ領域390 bpをPCRで増幅後,ダイレクトシークエンスした.2)耐性モチーフの割合を明らかにするため,上記のPCR産物をMiSeq(Illumina)を用いてディープシークエンスした.【結果】ダイレクトシークエンスでは,rtL180M+rtM204Vとrt180MのLAM耐性を8例中6例で認めた.ディープシークエンスでは8例中5例でrtL180L/M(10.6%-35.4%/64.6%-86.8%)とrtM204M/V/I(0.0%-35.2%/41.6%-79.5%/0.0%-35.2%)のように野生株と耐性株が混在していた.ADV耐性は2例で認め,野生株と耐性株が混在していた.さらに2例でADV耐性の少数株も認められ,rtA181Vが8.5%,rtN236Tが14.5%の症例とrtA181Vが2.1%認める症例があった.ETV耐性は2例で認められ,rtT184Lとなっていた.さらに,ETV耐性を認めるETV+ADV内服症例1例を2年間経時的に耐性モチーフを調べた.rtL180M,rtM204VとrtT184L,3カ所の耐性モチーフを認め,治療中,ウイルス量は徐々に低下していったが,rtL180M(76.9%→96.8%),rtM204V(69.0%→96.2%),rtT184L(58.7%→82.3%)と耐性モチーフの割合は増加していた.また,当初rtS202Gの耐性モチーフは1.3%だったが,3.4%に増加していた.【結論】次世代シークエンサーを用いると,ダイレクトシークエンスでは解析できなかった少数株の解析も可能となり,今後の薬剤選択の決定の一助となる.また,今回ウイルス量が低下しても,耐性モチーフの割合が増大している症例を認めた.将来核酸アナログの効果が乏しくなる可能性があり,早めの対策が必要と考える. |
索引用語 |