セッション情報 口演

B型肝炎 再活性化

タイトル O-416:

当院における消化器・呼吸器・婦人科固形腫瘍に対する手術施行例,化学療法施行例におけるHBV再活性化について

演者 盛田 篤広(京都第二赤十字病院消化器内科)
共同演者 宇野 耕治(京都第二赤十字病院消化器内科), 川勝 雪乃(京都第二赤十字病院消化器内科), 藤井 康智(京都第二赤十字病院消化器内科), 和田 浩典(京都第二赤十字病院消化器内科), 上田 悠揮(京都第二赤十字病院消化器内科), 白川 敦史(京都第二赤十字病院消化器内科), 岡田 雄介(京都第二赤十字病院消化器内科), 真田 香澄(京都第二赤十字病院消化器内科), 鈴木 安曇(京都第二赤十字病院消化器内科), 中瀬 浩二朗(京都第二赤十字病院消化器内科), 萬代 晃一朗(京都第二赤十字病院消化器内科), 河村 卓二(京都第二赤十字病院消化器内科), 河端 秀明(京都第二赤十字病院消化器内科), 宮田 正年(京都第二赤十字病院消化器内科), 田中 聖人(京都第二赤十字病院消化器内科), 安田 健治朗(京都第二赤十字病院消化器内科)
抄録 【目的】当院における消化器・呼吸器・婦人科固形腫瘍に対する手術施行例,化学療法施行例におけるHBV再活性化の現状及びHBV関連ウイルスマーカー測定の現状を明らかにし,HBV再活性化対策の院内の取り組みとその効果について検討する.【対象及び方法】対象は,2006年1月から2013年9月迄に当院で治療を行った1)消化器悪性腫瘍(胃癌1283例,大腸癌721例,膵癌304例),2)肺癌526例,3)婦人科悪性腫瘍(卵巣癌260例,子宮癌65例)である.これらの症例についてHBV関連マーカーの測定状況,治療(手術)経過中のHBV再活性化の有無の検討を行った.また,院内でのHBV再活性化対策とその効果について検討した.【結果】1)消化器悪性腫瘍の内,HBs抗体,HBc抗体の測定は胃癌では15例,28例で陽性者はそれぞれ7例,12例で,大腸癌では12例,15例で測定され,陽性者は2例,1例であった.膵癌での測定はなかった.HBs抗原陽性はそれぞれ,16例,16例,2例であったが,HBV再活性化は認めなかった.2)肺癌526症例においてHBV既往感染の検索はなく,HBs抗原陽性は1例であり,経過中の再活性化は認めなかった.3)婦人科悪性腫瘍ではHBV既往感染の検索はなく,経過中の肝機能障害は認められなかった.当院では2013年8月よりHBV再活性化対策として,化学療法レジメン登録時及びHBV再活性化の注意喚起がなされている薬剤オーダー時にHBV既往感染マーカーの測定を電子カルテ上で促すシステムを導入しており,測定率の向上を図っている.【考察と結語】固形腫瘍に対する化学療法施行時のHBV再活性化は認められなかった.HBV再活性化対策を徹底し,固形腫瘍に対する化学療法施行時のHBV再活性化の有用性を検討する必要があると考えられた.
索引用語