セッション情報 | 口演B型肝炎 再活性化 |
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タイトル | O-417:固形癌化学療法におけるB型肝炎ウイルス再活性化の現状と課題 |
演者 | 野口 隆一(奈良県立医科大学第三内科(消化器・内分泌代謝内科)) |
共同演者 | 吉治 仁志(奈良県立医科大学第三内科(消化器・内分泌代謝内科)), 浪崎 正(奈良県立医科大学第三内科(消化器・内分泌代謝内科)), 守屋 圭(奈良県立医科大学第三内科(消化器・内分泌代謝内科)), 北出 光輝(奈良県立医科大学第三内科(消化器・内分泌代謝内科)), 相原 洋祐(奈良県立医科大学第三内科(消化器・内分泌代謝内科)), 堂原 彰敏(奈良県立医科大学第三内科(消化器・内分泌代謝内科)), 西村 典久(奈良県立医科大学第三内科(消化器・内分泌代謝内科)), 山尾 純一(奈良県立医科大学第三内科(消化器・内分泌代謝内科)), 藤本 正男(奈良県立医科大学第三内科(消化器・内分泌代謝内科)), 美登路 昭(奈良県立医科大学第三内科(消化器・内分泌代謝内科)), 吉田 太之(奈良県立医科大学第三内科(消化器・内分泌代謝内科)), 沢井 正佳(奈良県立医科大学第三内科(消化器・内分泌代謝内科)), 上嶋 昌和(奈良県立医科大学第三内科(消化器・内分泌代謝内科)), 福井 博(奈良県立医科大学第三内科(消化器・内分泌代謝内科)) |
抄録 | 【目的】2009年に「免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン」が作成され,固形癌化学療法時においてもB型肝炎ウイルス(HBV)再活性化対策が必要とされている.しかし,固形癌化学療法時のHBV再活性化頻度は悪性リンパ腫治療や生物製剤使用時に比し低いとされ,ガイドラインの緩和を含む見直しも検討されている.今回我々は,当院の非肝臓専門医による固形癌化学療法時のHBV再活性化の現状と課題について検討した.【方法】ガイドライン発表後の2010年から2012年の間に当院にて化学療法を受けた固形癌患者1892例を対象に,HBs抗原,HBs抗体,HBc抗体のいずれかが陽性であった107例のうち非肝臓専門医により化学療法を施行された64例について検討した.【成績】固形癌化学療法時にガイドラインが遵守されていなかった38例中2例(5.3%)にHBV再活性化を認めると共に,HBV未測定ながらALTが100 IU/mL未満で変動し再活性化の可能性が考えられる症例を15例(39.5%)に認めた.再活性化した症例のうち,1例は治療前HBs抗原が陰性であったde novo発症でentecavir(ETV)の投与により軽快し,残り1例は肝庇護療法で軽快した.なお,化学療法開始時にHBsAgまたはHBV DNA陽性であった26例中17例(63%)はETV非投与であり,ガイドラインに基づく治療例は9例(37%)に留まったが,ガイドライン遵守症例26例では全例再活性化は見られなかった.【結論】固形癌化学療法において,ガイドライン非遵守例の約5%に再活性化が見られたことから,ガイドラインの緩和には多数例による全国的検討が必要と思われた.また,ガイドライン遵守例では再活性化を認めていないことから非肝臓専門医に対する更なる啓蒙が重要と考えられた. |
索引用語 |