セッション情報 | 口演B型肝炎 再活性化 |
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タイトル | O-418:抗TNF-α阻害薬と抗リウマチ薬投与例での当院におけるHBV再活性化対策の現状と課題 |
演者 | 西村 貴士(滋賀医科大学消化器内科) |
共同演者 | 園田 文乃(滋賀医科大学消化器内科), 塩谷 淳(滋賀医科大学消化器内科), 西田 淳史(滋賀医科大学消化器内科), 稲富 理(滋賀医科大学消化器内科), 馬場 重樹(滋賀医科大学消化器内科), 安藤 朗(滋賀医科大学大学院感染免疫応答・免疫調節部門), 藤山 佳秀(滋賀医科大学消化器内科) |
抄録 | 【目的】クローン病(CD)や潰瘍性大腸炎(UC)では抗TNF-α抗体,また慢性関節リウマチ(RA)では抗TNF-α抗体や抗リウマチ薬の投与症例が多く,またこれらの疾患の治療はステロイド(PSL)を含めた免疫抑制剤を併用している症例が多数認められることよりHBV再活性化対策は重要である.今回我々はCD,UCとRAにおける抗TNF-α抗体,抗リウマチ薬投与症例でのB型肝炎ウイルス感染の現状と再活性化について報告する.【目的】2002年12月より2013年9月までに当院でCD,UCに対して抗TNF-α抗体の投与,RAに対して抗TNF-α抗体や他の抗リウマチ薬(アバタセプト,エタネルセプト,トシリズマブ)を投与された221症例(CD106例,UC23例,RA92例)についてB型肝炎ウイルスマーカーと再活性化について検討した.【結果】各疾患における男女比はCD76:30,UC15:8,RA18:74であり,投与開始年齢はそれぞれCD34.5歳,UC23歳,RA59歳(全て中央値)とRAでやや高い傾向を認めた.抗TNF-α抗体の投与回数はCDでは18.5回,UCでは4回であり,RAについて抗TNF-α抗体や他の抗リウマチ薬の投与回数は16回であった(全て中央値).またCD,UCに関して免疫抑制剤の併用投与を受けている症例はCDでは54.7%(58/106),UCでは95.7%(22/23)であり,RAでは92.4%(85/92)とUC,RAではほとんどの症例で併用投与されていた.全症例含めてHBs抗原陽性例はなかったが,HBs抗体陽性例あるいはHBc抗体陽性例は17例(8.4%)であった.HBV-DNA陽性例はなかったため,核酸アナログ製剤投与例はなく,HBV再活性化も認めていないがHBV-DNAのモニタリングは不十分であった.【結論】HBV再活性化を認めた症例はなかったものの,炎症性腸疾患や慢性関節リウマチではHBV再活性化の注意喚起のある薬剤を多数併用している症例が多く,ガイドラインを遵守したモニタリングが必要である. |
索引用語 |