セッション情報 |
口演
B型肝炎 臨床経過
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タイトル |
O-422:B型慢性肝炎に対する核酸アナログとペグインターフェロンの治療効果
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演者 |
加藤 慶三(新松戸中央総合病院消化器・肝臓科) |
共同演者 |
米澤 健(新松戸中央総合病院消化器・肝臓科), 立花 浩幸(新松戸中央総合病院消化器・肝臓科), 佐藤 祥之(新松戸中央総合病院消化器・肝臓科), 井家 麻紀子(新松戸中央総合病院消化器・肝臓科), 島田 紀朋(新松戸中央総合病院消化器・肝臓科) |
抄録 |
【目的】B型肝炎に対する治療法の進歩に伴い,HBsAg陰性化が最終的な治療目標となってきた.治療反応因子でHBsAgの6ヶ月後の減少量がHBsAg陰性化と関連するとの報告がされている.そこで短期間のNAとPeg-IFNの治療効果について検討した.【方法】対象は当科にてETV(E群)とPeg-IFN(P群)を導入した132例.なお,ETVはnaive症例に限定した.年齢平均50歳.男性/女性80/52例.Genotype A/B/C 12/28/77例.HBeAg+/- 43/89例.ETVは110例で,Peg-IFN 22例中10例にSequential療法を行った.治療開始後のHBV DNA,HBsAg,ALT,AFP,HBcrAgの推移を比較検討した.【結果】年齢はE群/P群で平均51/42歳でP群に若年者が多かった(p=0.01).HBV DNAは治療開始時/12週/24週/48週で,E群では平均5.6/2.1/1.8/1.3log copies/mL,Sequential療法を除くP群では5.1/4.6/4.6/4.0log copies/mLであり,E群で有意に減少した(p<0.01).HBsAgはE群では3.0/3.2/3.1/3.2LogIU/mL,P群では2.8/2.5/2.4/2.2LogIU/mLであり,P群で有意に減少した(p=0.03).ALTはE群では97/23/28/26U/L,P群では236/73/76/77U/Lと両群共に減少したが,E群で有意だった(p<0.01).AFPはE群では18.1/3.1/3.9/2.9ng/mL,P群では8.6/12.1/10.9/13.9ng/mLであり,E群で有意に減少した(p=0.01).HBcrAgはE群では4.6/4.3/4.4/4.1LogU/mL,P群では5.7/5.4/5.7/5.1LogU/mLと両群共に減少したが有意差はなかった.6か月後のHBsAgが0.5LogIU/mL以上減少する因子は,単変量解析でHBsAg,Genotype,HBeAg,HBcrAgに有意差はなく,Peg-IFN治療のみが抽出された(OR 7.9,p=0.02).【結論】ETVはHBVの増殖を抑制し,IFNは免疫賦活作用とそれぞれ異なる抗ウイルス効果により,ETVはALT,HBV DNAを減少させ,Peg-IFNはHBsAgを減少させたものと思われた.NAとPeg-IFNの特徴を加味し,ETV lead-inやPeg-IFN併用療法等の工夫によりHBsAgの陰性化達成率が向上する可能性もあり,個別化治療の最適化が期待される. |
索引用語 |
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