セッション情報 | 口演B型肝炎 臨床経過 |
---|---|
タイトル | O-423:当院における薬剤性,HBV急性肝不全の検討 |
演者 | 大平 俊一郎(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門) |
共同演者 | 松岡 俊一(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門), 水谷 卓(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門), 宮澤 祥一(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門), 伊藤 潔(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門), 上村 慎也(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門), 阿部 真久(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門), 松本 直樹(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門), 田村 彰教(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門), 稲見 真木子(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門), 荒川 泰雄(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門), 樋口 晃久(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門), 中村 仁美(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門), 楡井 和重(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門), 山上 裕晃(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門), 森山 光彦(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科部門) |
抄録 | 【目的】1981年から長年使用された犬山シンポジウムによる劇症肝炎診断基準が,2011年厚労省「難治性肝・胆道疾患に関する調査研究班」によって作成された急性肝不全の診断基準に変わり(以後新旧),非昏睡型という新たな診断が追加され,迅速な人工肝補助療法導入(ALS)が可能になった.今回,当施設において肝移植に至らなかった急性肝不全患者20例の内,薬剤性,HBVの経過,予後について検討した.【方法】当施設における平成22年4月から平成25年3月まで急性肝不全にて入院した全20例は,薬剤性7例,HBV3例,原因不明4例,HAV2例,Wilson1例,その他3例であった.急性型4例,亜急性5例で非昏睡型は11例であった.その内,薬剤性7例,HBV3例を対象とした.急性肝不全診断基準を満たした時点で速やかにALS(6時間かけたslow PEに6時間のHDFを併用,最大10回)を導入し,またHBVに関しては,判明時直ちに核酸アナログ製剤を開始した.【結果】薬剤性7例(男性5例,女性2例)は,急性型2例,亜急性型2例で非昏睡型は3例であった.入院期間の中央値は32日,ALS施行回数は平均2.4回,7例中3例が生存した(救命率43%).HBV 3例(男性2例,女性1例)は,急性型1例,亜急性型2例であり,入院期間の中央値は23日,ALS施行回数は平均10回で,3例とも死亡した(救命率0%).【考案と結語】急性肝不全は予後不良であり,まず速やかに診断し,内科的管理,治療をすることが重要である.今回急性肝不全の診断基準が改訂され,旧診断基準の使用時と比較し,速やかにALSの導入ができるため,救命率は改善されると見込まれる.実際,予後不良と考えられる薬剤性において,救命率43%であった.しかし,HBVは早く治療を開始しても救命率0%と予後は非常に不良であった.全例が肝移植できる訳ではなく,さらなる改善が必要であると考えられた. |
索引用語 |