セッション情報 ポスター

症例その他(胃・十二指腸1)

タイトル P-006:

内視鏡検査中での十二指腸穿孔に対して新しい内視鏡処置具であるOTSC(Over-The-Scope-Clipping)systemで穿孔部を閉鎖可能であった一経験例

演者 近藤 春彦(上尾中央総合病院消化器内科)
共同演者 和久津 亜紀子(上尾中央総合病院消化器内科), 大舘 幸太(上尾中央総合病院消化器内科), 外處 真道(上尾中央総合病院消化器内科), 柴田 昌幸(上尾中央総合病院消化器内科), 山城 雄也(上尾中央総合病院消化器内科), 片桐 真矢(上尾中央総合病院消化器内科), 三科 友二(上尾中央総合病院消化器内科), 深水 雅子(上尾中央総合病院消化器内科), 平井 紗弥可(上尾中央総合病院消化器内科), 長澤 邦隆(上尾中央総合病院消化器内科), 明石 雅博(上尾中央総合病院消化器内科), 渡邉 東(上尾中央総合病院消化器内科), 笹本 貴広(上尾中央総合病院消化器内科), 土屋 昭彦(上尾中央総合病院消化器内科), 西川 稿(上尾中央総合病院消化器内科), 山中 正己(上尾中央総合病院消化器内科)
抄録 症例は74歳女性.主訴は黄疸.2013年4月頃より近医で軽度の肝障害を指摘された.2013年7月の近医での血液検査でT.Bilが3.6と黄疸を認め,当院当科に紹介となった.その後の検査で,進行期膵頭部癌による閉塞性黄疸と診断.入院後,第2病日に内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)を実施した.その時に側視鏡で十二指腸内に挿入し,pull操作を行った際に腹腔内の脂肪織が観察され術中穿孔と判断し手技を中止.単純CTで腹腔内にfree airを確認し,緊急で上部消化管内視鏡にて観察した.上十二指腸角(SDA)を超えた肛門側に穿孔部位あり,穿孔部は通常のクリップでの縫縮は困難と判断し,そこで新しい内視鏡処置具であるOTSC systemを使用することにより穿孔部の閉鎖可能であった.OTSC systemは内視鏡治療時に内視鏡とともに使用し,全層縫合可能なデバイスである.クリップが装填されたアプリケーションキャップと留置用ハンドホイールが付属している.把持性能に優れ,消化管の止血・穿孔/瘻孔の閉鎖などに効果を発揮する.クリップサイズも9mm,10mm,11mmと3種類あり,適合内視鏡先端外径も直径8.5mm~14mmまで,上部内視鏡・下部内視鏡と内視鏡の太さに合わせて4種類ある.また,出血部の硬い組織に対しても,OTSC systemを補助するOTSCアンカーなるものを使用し出血や硬化組織の把持にすぐれ,また大きな穿孔/瘻孔など開いた組織の把持にはOTSCツイングラスバーを使用し,組織を寄せて穿孔/瘻孔の閉鎖をすることが可能である.今回我々は,ERCP時の偶発症である十二指腸穿孔を来した症例に対して,OTSC systemを使用し穿孔部を閉鎖し保存的治療可能であった症例を経験したのでここに報告する.
索引用語