セッション情報 | ポスター症例その他(胃・十二指腸2) |
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タイトル | P-013:Cyanoacrylateを用いた内視鏡的静脈瘤硬化療法の有用性と安全性について |
演者 | 須田 烈史(富山県立中央病院内科) |
共同演者 | 酒井 明人(富山県立中央病院内科), 野田 八嗣(富山県立中央病院内科), 織田 典明(富山県立中央病院内科), 米島 淳(富山県立中央病院内科), 原 泰将(富山県立中央病院内科), 在原 文教(富山県立中央病院内科), 堀田 洋介(富山県立中央病院内科), 松田 耕一郎(富山県立中央病院内科), 松田 充(富山県立中央病院内科) |
抄録 | 【目的】Cyanoacrylate(CA)を用いた内視鏡的静脈瘤硬化療法(EIS)の有用性と安全性について検討した.【対象と方法】2009年1月より2013年9月までに,当院にてCAを用いてEISを施行した14例(平均64歳,男女比7:7)を対象とした.背景疾患は,肝硬変が10例で,アルコール性が5例,C型が2例,PBCが2例,NASHが1例で,肝細胞癌合併は5例であった.残る4例は,IPHや骨髄線維症(MF)または膵癌による門脈閉塞などの特殊例であった.CAによるEISの適応は,内視鏡的結紮術(EVL)あるいは5%EOlや1%ASによるEISが困難な部位の病変とし,内訳は胃13例,十二指腸1例であった.緊急止血8例,待機的6例であり,方法としてはLipiodolを混合した70%CAを用いた直接穿刺で,手技は10分程度で終了した.検討項目は,止血成功率,治療後の再出血の程度とその後の対応,予後,合併症などとした.【成績】緊急止血8例では,全例止血可能で,再出血は1例に認めたが,本療法追加により再度止血可能であった.緊急止血を要したPBCによる十二指腸静脈瘤の1例においては,1回で止血が得られ,後日,計画的な本療法の追加によりその後4年以上経過した現在も経過良好である.待機的6例では,5例が本療法1回のみで良好な結果が得られた.待機的治療後に出血を繰り返した1例は,MFの症例で,本療法による緊急止血がその後計3回施行され,初回治療から1年6か月を経た現在も生存中である.今回検討した14例において,死亡は5例にみられたが出血死はなく全例原病死で,合併症についても特記すべきものは認めなかった.治療後の静脈瘤の形態は,血流遮断されるためか著明に改善していた.【結語】CAを用いたEISは,安全かつ簡便で確実に止血でき,EVLや5%EOlなどによるEIS困難な部位の病変には有用と思われた.発表に際しては,比較的稀な十二指腸静脈瘤に対し本療法を試みた1例の詳細についても提示する. |
索引用語 |