セッション情報 | ポスター症例その他(胃・十二指腸2) |
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タイトル | P-014:メタボリックサージェリーによるメタボ改善のメカニズムと今後の展開 |
演者 | 山本 寛(滋賀医科大学消化器外科学) |
共同演者 | 貝田 佐知子(滋賀医科大学消化器外科学), 赤堀 浩也(滋賀医科大学消化器外科学), 太田 裕之(滋賀医科大学消化器外科学), 山口 剛(滋賀医科大学消化器外科学), 森 毅(滋賀医科大学消化器外科学), 園田 寛道(滋賀医科大学消化器外科学), 清水 智治(滋賀医科大学消化器外科学), 塩見 尚礼(滋賀医科大学消化器外科学), 久保田 良浩(滋賀医科大学消化器外科学), 村田 聡(滋賀医科大学消化器外科学), 目片 英治(滋賀医科大学消化器外科学), 仲 成幸(滋賀医科大学消化器外科学), 谷 徹(滋賀医科大学消化器外科学) |
抄録 | 病的肥満症に対する減量手術は,メタボの改善という福音をもたらした.減量手術は,胃あるいは小腸に手術操作(縮小・短縮・経路変更など)を加える治療であり,減量効果のみならず術後早期に劇的に肥満に合併するメタボの改善をきたすことから,メタボの病因・病態における消化管の役割の重要性をまさに証明している治療であるといえる.最近では,むしろ減量目的ではなく,メタボ治療を目的に消化管に手を加える手術,いわゆるメタボリックサージェリーが海外では精力的に行われている.そして,手術によるメタボの改善効果とそのメカニズムに関する臨床的・基礎的研究は,メタボの病因・病態解明そして新たな治療戦略に対しても,ブレークスルーとなることが期待されている.具体的には,減量手術により,摂食調節や糖代謝を制御するグレリンやGLP-1などの消化管ホルモンの分泌が大きく変化し,インスリン分泌の増加・インスリン抵抗性の改善そして糖尿病が改善することが報告されている.また最近では,腸内細菌と肥満・メタボの関連が注目されており,減量手術(バイパス手術)後には,肥満患者で多いFirmicutesが減少し,肥満患者で少ないBacteroidesが増加することも明らかになってきた.本発表では,当院で施行した病的肥満症に対するスリーブ状胃切除術症例の術前後の減量効果,糖尿病合併症例における糖尿病改善効果の実際を紹介する.そして,術前後の空腹時グレリン値や糖負荷時のGLP-1・インスリン・血糖値の変化を解析し,またcineMRIによる新しい消化管運動の評価(PLOSone,2013)を含め,手術による糖尿病改善における消化管ホルモンの役割に関してわれわれの仮説を展開したい.さらに,16SrRNA gene sequencing解析によるスリーブ状胃切除術前後の腸内細菌の変化についても最近のデータを紹介し,メタボの改善との関連を考察する. |
索引用語 |