セッション情報 ポスター

胃癌

タイトル P-018:

当院におけるHER2陽性切除不能進行胃癌治療の現状

演者 島本 福太郎(大阪医科大学附属病院化学療法センター)
共同演者 浅石 健(大阪医科大学附属病院化学療法センター), 後藤 昌弘(大阪医科大学附属病院化学療法センター), 吉田 元樹(大阪医科大学附属病院化学療法センター), 紀 貴之(大阪医科大学附属病院化学療法センター), 桑門 心(大阪医科大学附属病院化学療法センター), 西谷 仁(大阪医科大学附属病院化学療法センター), 寺澤 哲志(大阪医科大学附属病院化学療法センター), 宮本 敬大(大阪医科大学附属病院化学療法センター), 樋口 和秀(大阪医科大学附属病院第2内科)
抄録 【背景・目的】HER2過剰発現の切除不能進行再発胃癌に対するトラスツズマブ(以下Tmab)の使用が本邦で承認され3年近くが経過した.今回当院におけるHER2過剰発現患者の割合を調査し,当該症例のうちTmab併用例における治療経験及び有効性・安全性を検討した.【対象・方法】2006年6月から2013年7月の期間における当科でのHER2陽性症例(IHC法にて3+,もしくはIHC法2+かつFISH法にて増幅あり)の割合を調査し,HER2陽性症例のうちTmabを投与した9例についてレトロスペクティブに検討した.【結果】HER2陽性割合は16.5%(109例中18例)であった.対象となる9例の内訳は,男性6例,女性3例であり,治療開始時の年齢中央値は65歳(52-71),切除不能進行例6例,再発例3例であった.使用レジメンの併用薬剤は,カペシタビン+シスプラチン4例,カペシタビン2例,パクリタキセル3例であった.Tmabの投与回数中央値は6回(2-13)であり,治療成功期間の中央値は5.0ヶ月(95%CI 3.6-7.3),全生存期間の中央値は24.8ヶ月(12.0-47.2)であった.奏効率は22%,病勢制御率は89%(CR 0例,PR 2例,SD 6例,PD 0例,NE 1例)であった.Tmabの相対用量強度は90.1%であった.Grade3以上の有害事象は,Grade4の好中球減少症,Grade3の貧血を1例ずつ認めた.心不全や急速輸注反応など,Tmab特有の有害事象は認めなかった.【結語】当院でのHER2過剰発現割合は16.5%であり,既報と同程度であった.Tmabと化学療法の併用は比較的有効かつ安全に施行可能であった.
索引用語