セッション情報 | ポスター胃癌-外科 |
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タイトル | P-021:噴門側胃切除術後の栄養状態について胃全摘術後との比較検討 |
演者 | 宮地 正彦(愛知医科大学消化器外科) |
共同演者 | 清田 義治(愛知医科大学消化器外科), 木村 研吾(愛知医科大学消化器外科), 岩田 力(愛知医科大学消化器外科), 山中 美歩(愛知医科大学消化器外科), 森 大樹(愛知医科大学消化器外科), 中尾 野生(愛知医科大学消化器外科), 藤崎 宏之(愛知医科大学消化器外科), 安藤 景一(愛知医科大学消化器外科), 田井中 貴久(愛知医科大学消化器外科), 有川 卓(愛知医科大学消化器外科), 伊藤 暢宏(愛知医科大学消化器外科), 大橋 紀文(愛知医科大学消化器外科), 永田 博(愛知医科大学消化器外科), 鈴村 和義(愛知医科大学消化器外科), 野浪 敏明(愛知医科大学消化器外科) |
抄録 | 【目的】胃全摘術後では重度な体重減少,低栄養を併発することが多い.噴門側胃切除術(噴切)後では幽門部が残るため,これら合併症が胃全摘術後より少ないと考えられている.今回は噴切後の栄養状態を胃全摘術後と比較検討した.【対象】胃癌に対し,周術期末梢静脈栄養のみで管理し,術後合併症がなく,1年以上経過した根治度A,Bの噴切例10例,全摘例10例に対し,術後の体重,血清アルブミン値,経口摂取量を検討した.【結果】平均年齢は噴切群67±13,全摘群62±10歳と差はなく,胃癌のstageは噴切群I 7例,II 3例,III 0例,全摘群2例,3例,5例と全摘群で進行例が多かったが,観察期間内の再発例はなかった.逆流症状は両群ともなく,化学療法が噴切群の2例,全摘群の6例に1年間施行された.術前,術後1,3,6,9,12ヶ月の平均体重は,噴切群は65.1,57.4,57.2,56,56.5,57kgであり,全摘群の54.8,50.2,47,46.3,46.6,45.3kgと差はなく,術後3ヶ月まで体重減少が進行したが,噴切群では全摘群と異なり,6ヵ月後から増加傾向に転じた.血清アルブミン値は噴切群では4.0,3.9,4.1,4.1,4.2,4.3mg/dlであり,全摘群の4.2,3.7,3.9,4.0,4.0,3.9mg/dlと差はないが,噴切群では6ヵ月後から増加傾向に転じた.術前と比較した経口摂取量は噴切群では100,45,57,63,71,80%であり,全摘群の100,42,55,65,74,82%と差はなかった.これら変化は残胃の大きさ,抗癌剤の使用の有無で差はなかった.【結語】噴切群では術後1ヶ月までの体重減少が大きいため全摘群と術後1年では差はなかったが,術後6ヶ月以降,経口摂取量に差がないが,噴切群では体重の増加,血清アルブミン値の増加が多いことから,周術期の体重減少を軽減できれば,噴切群の術後6ヶ月以降の栄養状態は胃全摘群より,さらに良好になることが示唆された. |
索引用語 |