セッション情報 ポスター

胃癌-外科

タイトル P-022:

肉眼的治癒切除可能な全身化学療法後StageIV胃癌症例の予後は良好である

演者 永生 高広(帯広協会病院外科)
共同演者 阿部 厚憲(帯広協会病院外科), 鈴木 崇史(帯広協会病院外科), 松澤 文彦(帯広協会病院外科), 濱口 純(帯広協会病院外科), 及能 健一(帯広協会病院外科)
抄録 【目的】近年高い奏功率を示す抗癌剤の出現により切除不能進行胃癌症例において全身化学療法を実施したのち腫瘍縮小を認め肉眼的治癒切除が可能となる症例をしばしば経験する.しかし全身化学療法後に手術を加えることで予後の改善を認めるかは明確ではない.切除不能胃癌症例に対して全身化学療法を実施したのち肉眼上治癒切除可能と判断された症例に対して手術を行うことで予後の改善を認めるかどうかを検討する.【方法】対象は帯広協会病院外科において2009年から2012年までに切除不能進行胃癌と診断され全身化学療法を施行し腫瘍縮小効果を認め肉眼的治癒切除可能と判断し手術を施行したStageIV胃癌症例9例.方法はStageIV胃癌症例9例における臨床経過および臨床病理結果と予後との関係を検討した.【結果】使用した化学療法はS-1単独1例,S-1+CDDP7例,S-1+DTX1例.確定診断から手術までの期間は平均229日,最長500日.手術は胃全摘術+脾摘出術+横行結腸部分切除術1例,胃全摘術+脾摘出術2例,胃全摘術3例,幽門側胃切除が2例.全例根治度B.術後合併症は膵液瘻を2例認めたが在院死亡はなし.抗癌剤の組織学的治療効果判定はGrade 1a 4例,Grade 1b 3例,Grade 3 1例.術後9例中3例再発(1例再発死亡).術後全身化学療法を7例に実施.使用した化学療法はS-1+CDDP 1例,S-1 6例.予後は全例確定診断後から1年以上生存し生存期間中央値は735日.【結論】術前化学療法により腫瘍の縮小を認め肉眼的治癒切除可能と判断された症例に対しては手術を追加することで全身化学療法単独よりさらに良好な予後を得られる可能性が示唆された.
索引用語