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胃癌-外科

タイトル P-023:

胃癌術後に腹腔内出血をきたした症例の検討

演者 大久保 悠祐(大阪厚生年金病院外科)
共同演者 弓場 健義(大阪厚生年金病院外科), 赤丸 祐介(大阪厚生年金病院外科), 藤井 眞(大阪厚生年金病院外科), 森本 芳和(大阪厚生年金病院外科), 安政 啓吾(大阪厚生年金病院外科), 河野 恵美子(大阪厚生年金病院外科), 谷口 嘉毅(大阪厚生年金病院外科), 青木 丈明(大阪厚生年金病院外科), 岩本 和哉(大阪厚生年金病院外科), 宋 智亨(大阪厚生年金病院外科), 樋渡 勝平(大阪厚生年金病院外科), 山崎 芳郎(大阪厚生年金病院外科)
抄録 【はじめに】胃癌術後に発症する腹腔内出血は頻度は低いが重篤な合併症の一つである.術後比較的早期に生じる非感染性の出血と,遅発性に生じる感染性の出血とに大別される.前者は術中損傷や止血不良などにより生じ,後者は縫合不全や膵損傷により,膵液・胆汁が腹腔内へ漏出し,感染を伴うことにより膵液が活性化され,自己消化を起こし,血管壁を破綻させることで生じる.治療は再開腹止血術や経カテーテル動脈塞栓術(TAE:transcatheter arterial embolization)などが挙げられる.近年,経カテーテル治療が発達し,腹腔内出血に対しても積極的にTAEが施行され救命率が向上したとの報告が散見される.今回,胃癌術後に腹腔内出血をきたした8例を検討したので若干の文献的考察を加え報告する.【対象】当院において胃癌術後に腹腔内出血をきたした8例を対象とした.8例のうち5例は胃全摘術(内2例は胃全摘+脾摘術,1例は残胃全摘術),2例は幽門側胃切除術,1例は腹腔鏡補助下幽門側胃切除術後であった.【成績】非感染性の出血は3例,感染性の出血は5例であった.再開腹止血術は4例,TAEは4例であった.非感染性の3例は全例再開腹止血術を施行,感染性の5例中1例は再開腹止血術,4例はTAEを施行した.非感染性の3例はいずれも軽快し,感染性の3例は軽快,2例は死亡であった.【まとめ】胃癌術後の腹腔内出血において,縫合不全に起因する感染性の出血は非感染性の出血に比べ予後不良であった.感染性の症例においては,大量出血前の予兆出血をとらえることや,CT・血管造影などの画像により早期に診断し,治療を開始することが重要であると考えられた.またTAEも有効な治療の選択肢と考えられた.
索引用語