セッション情報 ポスター

胃癌-外科

タイトル P-024:

商品化された当科のoridinal devide=FALS-TOPを使った進行胃癌に対する腹腔鏡下手術

演者 市原 隆夫(尼崎中央病院消化器センター外科)
共同演者 平岡 邦彦(尼崎中央病院消化器センター外科)
抄録 (はじめに)現ガイドラインでは進行胃癌は対象外とされているが,腹腔鏡下胃癌手術(LAD(T)G)では癌の手術として開腹手術と同レベルには至っていないとの認識故と思われる.進行胃癌への適応拡大のためには,早期胃癌に対する以上の正確なD2郭清手技が必須であり,従来法以上の開腹手術に劣らない視野の確保,器械の操作性向上.加えて大きな腫瘍の安全な腹腔外脱転手技,体型に左右されない安定した吻合手技の確立が求められる.当科ではこれらに対応すべくFALS-LAD(T)Gを標準化している.(FALS-LAD(T)G)上腹部4cmの横切開を先行し,ここに当科で商品化したFALS-TOPを装着する.FALS-TOPは腹腔鏡下手術鉗子に加え,開腹で用いる鑷子,腸ヘラ,腸把持鉗子を鏡視下で使用可能で,器械操作の自由度は開腹と同様である.さらにFALS-TOP(膵上縁)からの腹腔鏡視野により膵臓背側までを直視,開腹手術以上の視野が得られる.再建はLADGでは開腹と同様の残胃後壁―十二指腸吻合を,LATGではcircular staplerを用いたRoux-enY吻合を第一選択としている.(結果)大網,胃壁を開腹用バブコック鉗子で把持,肝十二指腸靭帯を腸ヘラで牽引,FALS-TOPに腹腔鏡で膵臓頭側からの視野下で膵上縁のリンパ組織を開腹用血管鑷子で把持牽引しながら郭清を行うことで,開腹と同感覚の器械操作が可能で,同レベル以上の郭清操作が可能であった.創は従来のLAD(T)Gと同等である.(考察)最近は臍創を延長し,Roux-enY吻合や,デルタ吻合を行う完全鏡下が一般化しているが,進行癌では創延長も5cmを超える事が多く,整容性から臍部の5cmと上腹部横切開を比較して見劣りするものではない.腫瘍範囲の確認困難,吻合法への抵抗を加味すれば,FALS-LAD(T)Gは視野展開,鉗子の自由度により正確な郭清操作が容易に得られ,開腹手術の手技を腹腔鏡下手術という制限なく遂行可能な方法として,当科では標準化している.
索引用語