セッション情報 ポスター

胃・十二指腸 内視鏡治療,その他

タイトル P-025:

抗血栓薬服用時における生検時出血に対する簡易圧迫止血法

演者 小林 真(市立四日市病院消化器内科)
共同演者 小林 新(市立四日市病院消化器内科), 二宮 淳(市立四日市病院消化器内科), 熊谷 成将(市立四日市病院消化器内科), 前川 直志(市立四日市病院消化器内科), 山脇 真(市立四日市病院消化器内科), 桑原 好造(市立四日市病院消化器内科), 水谷 哲也(市立四日市病院消化器内科), 杉浦 寧(杉浦医院), 矢野 元義(市立四日市病院消化器内科)
抄録 【目的】圧迫止血が消化器内視鏡で行われることは多くはない.抗血栓薬服用時の生検のほとんどは自然止血されるが,止血を確認してから内視鏡を抜去するのが望ましい.内視鏡先端による圧迫は圧迫点が視認できない.我々は抗血栓療法下の生検では小型止血鉗子を用い,出血が止まりにくい場合には使用した生検鉗子を開いて押し付ける簡易圧迫止血法を行っている.【方法】抗血栓療薬服用時の胃生検後に出血が止まりにくいと判断した25例において小型生検鉗子を用いて圧迫止血を行った.抗血小板薬22例(アスピリン単独9例,アスピリン・チエノピリジン誘導体併用9例,シロスタゾール1例,その他の抗血小板薬3例),抗凝固薬3例(ワーファリン2例,リバーロキサバン1例)であった.生検鉗子は先端外径1.8mmのラジアルジョー4細径生検鉗子(ボストンサイエンティフィック)を用いた.圧迫方法は生検した鉗子を開き出血部に軽く押し当て,出血が止まったことを確認し圧迫した.鉗子が縦になってしまう場合にはハンドルおよびシャフトを回転させ,極力広い面で圧迫できるようにした.圧迫時の洗浄にはバイオシールド生検バルブ(USエンドスコピー)または生検鉗子の横からのシリンジ送水を緩徐に行った.圧迫時間は基本的に60秒とし,止血されない場合には生検鉗子・把持鉗子を用いた追加圧迫やトロンビン散布等の方法を用いた.【結果】生検鉗子圧迫により25例中19例においてほぼ止血された.6例(アスピリン単独2例,アスピリン・チエノピリジン誘導体併用3例,ワーファリン1例)において出血が持続したため3例で追加圧迫,3例でトロンビン撒布を行い最終的に止血した.後出血は認めなかった.圧迫止血直後の強い送水は再出血をきたすため避けるべきと考えられた.【結論】抗血栓薬服用時生検で出血が止まりにくい場合には,生検鉗子を用いた簡易圧迫は一つの手段と考えられた.
索引用語